ステアリングホイール用電極構造体による製造コスト抑制

技術の概要

ステアリングホイールの芯金周囲に電極構造体を配置し、発泡体成形時の位置ずれを抑えるとともに握持検出を静電容量で行う。部品固定と組立工程の簡略化により製造コストの低減を実現する。

ユースケース

  • ステアリングホイールの把持検出センサとしての適用
  • 発泡体成形時の部材固定を簡素化し製造コストを低減
  • 車載システムにおける把持検出機能の信頼性向上
  • 部品構成の共通化による組立工程の省力化
  • ヒータ搭載形態を用いた握持検出と温感機能の組み合わせ

本技術は、ステアリングホイールの芯金に対向する絶縁支持体と、芯金側と反対の面に配置される第1電極(金属板)と、第1電極の絶縁支持体側とは反対側に配置される第1樹脂層と、第1樹脂層の反対面に配置される第2電極(金属板)で構成される電極構造体である。絶縁支持体は芯金に係合する部を有し、芯金の被係合部と係合して固定する。これにより、芯金周囲を覆う発泡体の成形時に位置ずれを抑え、製造工程を簡略化できる。リム外周近くに配置した電極は、握りに伴う静電容量の変化を検出し、制御回路が握持を判定する。第1電極と第2電極は絶縁支持体上で重ならず、間隙を介して配置されるので、電気的接続を防げる。第1樹脂層は薄いシート状で、厚みは数百μm程度。さらに、絶縁支持体の係合部と芯金の被係合部の係合により、組付け時の回転ずれや位置ずれを抑え、把持検出の再現性を高める。本構造は、芯金と部材の締結を容易にし、切削などの追加工程を減らすことで製造コストの低減に寄与する。

本実施形態の電極構造体は、芯金11の外周に沿って絶縁支持体22を配置し、第1電極31と第2電極32を挟む第1樹脂層21を介在させる。絶縁支持体22には芯金11の第1被係合部11c1と第2被係合部11c2に対応する第1係合部23aと第2係合部23bが設けられ、締結部材19の挿入・固定で芯金11に確実に締結される。発泡体15による成形時の圧力でのずれを抑え、握持検出の再現性を高める。第1電極31と第2電極32は絶縁支持体22の形状に賦形され、厚み方向に重ねず、間隙を確保して電気的絶縁を維持する。第1樹脂層21はポリカーボネート等の樹脂材料で薄膜状、厚みは数百μm程度。ハーネス8a,8bを介して第1電極31と第2電極32を制御回路40へ接続し、握持による静電容量の変化を検出する。さらにヒータ3を追加した変形例では、第2樹脂層34を設け、ヒータと電極間の絶縁を保ちながら熱拡散を抑制する。この構成により、組付けの精度が向上し、量産時のばらつきを低減できる。

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