車両用流体加熱装置の衝突耐性と安全性向上設計

技術の概要

車両用流体加熱装置は、内部タンク・加熱部・ケースを組み合わせた構造で、衝突時の液漏れを抑制できる設計です。液体はタンク内を流れ加熱部で温められ、車内暖房や電池温度管理へ供給されます。回路基板は温度制御と安全機能を担い、液漏れ検知時には加熱を停止します。

ユースケース

  • 車両用空調の暖房用流体の加熱
  • 車載バッテリー系の温度管理
  • 衝突時の液漏れ抑制と安全性向上
  • 熱管理ユニットの信頼性向上
  • 部品点数と組立コストの削減

車両用流体加熱装置は、扁平で長いタンクと、タンク内を流れる流路、タンクを加熱する加熱部、そしてこれらを収容するケースで構成されます。ケースは車両の衝撃時に液体が漏れにくいよう周囲を覆い、断熱層により熱の損失を抑えます。断熱層は空気層にもでき、重さとコストを抑える設計です。加熱部と回路基板はケース内に収まり、回路基板は温度・時間を制御して熱量を安定させます。液漏れを検知する部品があれば、検知時に加熱を停止し安全を確保します。コネクタは角部の内側に配置し、衝突時の保護を高めます。蓋体と取り付け部品の配置を工夫して部品数を減らしています。

本技術の要点は、車両用流体を加熱する装置を、衝突時にも液漏れを抑制できる堅牢な機構で実現する点にあります。タンク10は扁平で長尺、内部に流路を設けて流体を導き、加熱部20がタンクを温めます。ケース40は長尺の第1筐体110と第2筐体120からなり、タンクは第1開口部112から挿入され、先端部15の第2案内部17が第1案内部117に案内されて位置決めされます。第1締結部16と第1被締結部11۶、及び第2締結部14と第2被締結部114を用いて固定することで、車両の振動にも耐える強固な支持を実現します。回路基板30は第1収容空間S1と第2収容空間S2を跨いで配置され、仮想矩形枠内にコネクタ31を配置して外形の肥大化を抑制します。コネクタ31は給電用と通信用を横並びにし、ケース40の角部に配置するため衝突時の破損リスクを低減します。蓋体13とカバー50により、第2開口部122を覆い、液漏れ時の被害を最小化します。熱伝導部材33により回路基板30の発熱をケース40へ伝え、放熱を促進します。断熱層Kは、加熱部20と内壁の間に設けられ、断熱材または空気層として構成され、熱損失を抑制します。検知部32により液漏れを検知すると回路基板30が加熱部20への通電を停止します。これらの構成は、前方配置・後方配置の組み合わせ、コネクタの仮想矩形枠内収め、部品点数の最適化、耐振動性の確保といった設計指針を統合したものであり、車両の高電圧部材を保護するとともに、製造コストの抑制にも寄与します。

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