ソナーTOF差分による対象物判定装置

技術の概要

複数のソナー装置で受波した超音波の飛行時間差分を用いて、対象物の種別を判定します。差分値と閾値を組み合わせて歩行者・縁石・ポールを識別し、衝突回避系の精度向上を狙います。実車の安全性を高める用途を想定しています。

ユースケース

  • 自動車の衝突被害軽減ブレーキシステムの判定精度向上
  • 歩行者・固定物の識別精度向上による誤作動低減
  • 複数ソナーのデータ連携と融合処理の実装
  • 座標推定による対象物の位置情報提供
  • 車載システムの安全性評価と衝突回避設計の支援

本技術は、車両に搭載された複数のソナー装置が受波した超音波の飛行時間TOFの差分を算出し、その差分に基づいて対象物の種別を判定します。TOFは反射点の位置や形状・動きにより変動しますが、差分値を用いることで安定した識別を目指します。具体的には、複数ソナー間のTOF差分を取り、最短TOFに対応する閾値と比較します。歩行者は差分が大きくなりやすく、縁石は小さく、ポールは中間的な値を示します。実施形態1では差分算出部・最短距離算出部・閾値算出部・判定部・出力部を備え、Thped・Thcurb・Thpoleを距離に応じて設定します。実施形態2以降ではキャッシュ部や過去Mフレームの最大差分を用い、歩行者の検出安定性を高めます。座標推定には三角測量を併用します。

本発明は、複数のソナー装置が出力するTOF情報の差分を特徴量として用い、対象物の種別を判定する技術である。差分は d(i,j,t) = |TOFi(t) − TOFj(t)| のように定義され、距離最小値TOFminに対応する閾値 Thped/Thcurb/Thpole が登録されている。実施形態1では差分算出部・最短距離算出部・対象物閾値算出部・対象物判定部・出力部からなる基本構成を採る。閾値は距離に応じて動的に設定され、座標推定には三角測量を用いる。実施形態2ではキャッシュ部を追加し、過去Mフレームの差分最大値を用いて判定の頑健性を高める。実施形態3では歩行者判定部・送波制御出力部を追加し、歩行者検出時には継続送波を維持する制御を実現する。実施形態4では動的な歩行動作に対応するため、検知距離の差分と推定距離との差分を用いて動的対象物かどうかを判定する。これらの処理は、差分の最大値が閾値を超えるか否か、そして座標のばらつきが規定範囲内かを判断することで、歩行者・縁石・ポールのいずれかを高精度に識別する。最終結果は車両のECUへ出力され、衝突被害軽減ブレーキなどの制御に利用される。実装上は、TOF差分の最大値を時刻tを含む過去Mフレーム分で比較する手法や、現場の車速情報を用いて推定距離を補正する手法も併用可能である。

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