小型化を実現するテレフォト型ヘッドアップディスプレイ

技術の概要

車載用ヘッドアップディスプレイを小型化する光学設計を解説する。表示デバイスから出た光を中間像として拡大し、投影光学系と第三ミラーでウインドシールドに虚像を投影する構成である。テレフォト配置により全長を短縮でき、部品点数の削減と光学性能の両立をねらしている。

ユースケース

  • 車載用HUDの情報表示
  • 中間像の拡大と虚像投影
  • 小型化とコスト削減
  • 外光・迷光の抑制
  • 色収差と歪みの抑制

本技術は、表示デバイスからの光を順番に処理して虚像をウインドシールドに投影するヘッドアップディスプレイの小型化手法を示す。表示デバイス→リレー光学系→投影光学系→第三ミラーという光路を持ち、中間像は空中で結像されるため追加の結像部を必要としない。リレー光学系は正のパワーのレンズと負のパワーの鏡をテレフォト配置で組み、全長を短くする。第1レンズを基準光線に対して傾けて外光の迷光を抑え、楔形状や自由曲面を使って光路長を均一化し像の歪みを低減する。部品点数を減らせばコストも下がる。

本技術の要点は、表示デバイスから出る光路を、リレー光学系と投影光学系の二段構成で処理し、第一光学素子を基準光線に対してわずかに傾けることで、外光の迷光を極力排除しつつ高解像度の中間像を得る点にある。リレー光学系は第1ミラー122と第2ミラー124を組み、正のパワーを持つ第1レンズ123を前段に配置するテレフォト配置を採用する。これにより、同等の像拡大を小型化した筐体で実現でき、全長を短くできる。中間像Mは空中像として形成され、ウインドシールド上の虚像Iとして観察者Dに見える。楔形状のレンズ(第2レンズ121、第1レンズ123、あるいは第3レンズ126などの一体部)や自由曲面を使用して光路長の不均一を補正する。さらに、傾斜角度を調整した複数の光学素子を組み合わせ、外光の入射を遮蔽する設計を採る。実施形態としては、第5/第6/第7レンズを追加したバリエーションを用意し、実装条件に応じて部品点数の最適化とコスト低減を図る。具体的には、第2ミラー前の第1レンズ部(126a)と第2レンズ部(126b)を一体化した第3レンズ126を採用することで部品点数を削減し、テレフォト配置の利点を活かしつつ全長を短縮する設計が提示される。中間像は空中像として形成されるため、追加の結像部を必須とせず、薄型表示デバイスを活用した小型化が可能となる。投影光学系の各要素は、基準光線Lcに対する傾き・楔形状・自由曲面を組み合わせることで、歪み・色収差・迷光の抑制と像質の安定化を両立させる。実用上は、車両ダッシュボード下の配置やウインドシールド透過性の活用、複数の実施形態の組み合わせによる設計最適化が提案される。

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