透明度制限下での表示制御による合成画像表現力向上

本技術は、透明度情報の出力が制限されたアプリケーションを用いるシステムにおいて、合成画像の表現力を向上させる仕組みを解説します。表示対象の色情報を含む第1画像（表示用GUIデータ）と、透明度を指定する第2画像（透明度GUIデータ）を別々に生成します。予め用意されたGUI部品から第1画像を作成し、第1オブジェクトの透明度を指定する第2画像を作成します。合成部はこの第2画像を用いて第1画像の透明度を設定し、所定のメータ画像に重ねた合成画像を生成します。従来は透明度情報の出力が制限された場合、表示の表現力が低下しました。本方式では透明度情報を別経路で伝送・適用することで、透明度付きの矩形だけでなく非矩形領域や角丸部も再現可能になります。レイアウト情報はソース属性・デスティネーション属性に透明度オプション属性を追加して伝達します。これにより、高品質な合成画像を安定して表示できます。

本技術の要点は、透明度出力制限を受ける表示環境においても、合成画像の表現力を向上させる点にあります。IVI側のGUIフレームワークは表示用GUIデータを生成し、透明度情報を格納することが困難な条件下でも、透明度付加情報を別データとして伝送します。透明度付加GUIデータはレイアウト情報に透明度オプション属性を付与することで、ソースとなる表示用GUI画像とデスティネーション先の領域に、ピクセル単位の透明度を適用する設計です。メータ側の映像合成部は、透明度付加GUI画像から抽出した透明度情報を用いて、表示用GUI画像と元のメータ画像をアルファブレンドします。式としては、表示用RGBをS1、透明度RGBをS2、メータRGBをS3とし、出力はD = S3*(1-α) + S1*α、αはS2の対応する成分から決定します。透明度付加GUI画像は表示用GUI画像と透明度GUI画像を横に並べた一つの画像として扱われ、読み出し時に両方を同時に取り出せるよう設計されています。最適化として、透明度GUIデータを低解像度化して転送量を抑制する変形や、透明度情報を白黒マスクとして扱いカラー情報と分離する設計、表示部品の一部を透明度情報に反映させない設定などが可能です。これにより、OSやGUIフレームワークの制約下でも、非矩形領域の透明度や半透明効果を含む高度な合成を実現します。