技術の概要
車室内に設置された車載カメラがリヤガラス越しに外部を撮影する際の色温度のズレを、白色基準へ補正して表示品質を向上させる。複数の色温度を取得し、白とみなす範囲を検出することで、ガラスの分光特性に適したホワイトバランス調整を行う。
ユースケース
- 車載用電子ミラーの映像品質向上
- リヤガラス越し撮影時のホワイトバランス自動補正
- 車室内外の映像統一感の改善
- ADAS/運転支援の正確な後方視認性向上
- 表示品質の安全性・快適性向上
本技術は、車室内に設置したカメラがリヤガラスを介して車室外を撮像したときに生じる色温度のズレを補正します。画像から複数の色温度を取得し、カメラが白とみなす範囲を検出します。さらに、リヤガラスの透過特性に応じたテーブルを参照して色温度範囲を調整し、その範囲に基づいてホワイトバランスを調整します。補正後の画像は外部へ出力され、白色の再現性が高くなります。透過率の差により白点がずれる場合には、RGB信号のレベル補正の例も併せて説明します。
本技術の要旨は、車室内のカメラがリヤガラス越しに撮像する画像の色を、車室外の実映像と同等の色温度で表示できるよう、ホワイトバランスを動的に補正する点にある。カメラには画像取得部、色温度取得部、検出部、第一調整部、出力部を備え、前処理として車室外の白点を示す色温度範囲を色温度取得部が抽出する。検出部は、複数の色温度から白とみなす範囲を決定し、第一調整部はテーブル(リヤガラスの分光特性に応じた)を参照してRGB信号のゲイン・ホワイトバランスを調整する。リヤガラスの透過特性により色温度のずれが生じるため、図例のようなテーブル(色温度範囲4000K–8800K等)を用いて補正値を決定する。補正後の画像は出力部から電子ミラー等へ供給され、外部カメラの色に近い表示が得られる。第1実施形態ではホワイトバランスの補正を主眼とし、第2実施形態では取得照度に応じたゲイン調整・露光制御を組み合わせ、車室内外の照度差が大きい場合でも安定した表示を維持する。具体的には、取得照度判定部・推定部・第2・第3調整部・第3調整部などが連携して、照度閾値に応じたゲイン変更・露光時間の調整を行い、ヒストグラム自動露光を併用する場合もある。
