導光板と表示装置の高効率化を実現する体積ホログラム導光板

技術の概要

車載用表示装置に用いる導光板の高効率化技術を解説します。体積ホログラムで回折する第1入射部を用い、入射光を複数の拡張部へ分配し、第1反射構造で漏れ光を再循環させて利用効率を向上させます。

ユースケース

  • 車載ヘッドアップディスプレイ(HUD)向け表示装置の光学部品
  • 導光板を用いた車載ディスプレイの表示品質向上
  • 大型表示領域の光源効率改善を目的とした光学素子
  • 表示媒体と組み合わせた車載インストルメントパネルの表示
  • 体積ホログラムを用いた回折素子を組み込んだ映像投写装置

本技術の導光板は、入射光を回折する体積ホログラムから成る第1入射部と、それを支持する第1基板の第1面と第2面から構成されます。入射光は第1入射部を透過して第1反射構造に入り、再帰反射して再び第1入射部へ戻ります。第1反射構造は漏れ光を反射して再度導光板内に戻し、回折により第1拡張部と第2拡張部へ光を分配します。第1拡張部・第2拡張部は波長選択性を持つ体積ホログラムであり、それぞれの出射部(第1出射部・第2出射部)から第3画像光を出射します。これにより光を広範囲へ効率よく拡張しつつ、輝度のムラを抑制します。大型表示にも対応可能で、車載表示の視認性が向上します。

概要として、本発明は導光板30~30qに関し、入射光を回折する第1入射部41aと、光を受ける第1基板31の第1面131・第2面132、そして第1反射構造61を含みます。光は第1入射部を透過して第1反射構造に到達し、再帰反射によって再び第1入射部へ戻ります。第1反射構造は漏れ光を再循環させ、第1拡張部42a・第2拡張部42bへ光を分配します。第1拡張部・第2拡張部は多様な実施形態があり、それぞれ回折効率を調整することで、出射部43a・43bから第3画像光を出射します。これにより、入射光をより大面積に広げつつ、出射輝度を均一化する設計が可能です。さらに、各種実施例(図4~図20、30a~30q)では、片側あるいは両側から光を入射させる構成、非対称・対称拡張部、複数の出射部の組み合わせ、波長選択性の追加(1/4波長板、1/2波長板、鏡面偏光反射フィルム、偏光束ビームスプリタ等)を組み合わせ、光の利用効率と表示面積の両立を図っています。実用上は車載HUDやダッシュボードの表示媒体と組み合わせ、光源部50から出射された画像光を導光板内部で回折・反射させ、フロントウィンドウ前方に虚像を投影します。これにより、視認性の高い大画面表示が実現できます。

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