技術の概要
座席内部に蛇行したヒータエレメントと薄型の生体センサを統合し、熱供給と生体情報測定を同時に実現します。放射領域はヒータと干渉しないよう薄く配置し、電磁波の遮蔽を回避する工夫をしています。車載用途での安全性と快適性の向上を狙う技術です。
ユースケース
- 車載座席の熱効率向上と省電力化
- 非接触型生体測定による乗員状態推定
- 安全機能・運転支援への連携
- 座席設計の自由度向上と配線の簡略化
- 60GHz帯レーダを用いた姿勢・呼吸測定の活用
座席には座面を温める蛇行形のヒータエレメントと、生体情報を測る薄型センサを組み合わせて搭載します。生体センサは電磁波を放射して呼吸や心拍による体表の微小変位を検知します。放射領域はヒータエレメントと重なることなく、蛇行部の間に位置するよう高さ方向を抑え、ヒータと放射領域が異なる位置になるよう配置します。これによりヒータの熱効率を高めつつ電磁波の干渉を抑制でき、測定の安定性と精度を両立します。発熱領域と放射領域の相対配置は図面で示され、複数のセンサ配置例により、ヒータ配線の自由度を確保します。
本発明は、車両座席内に蛇行するヒータエレメントと、電磁波を放射して生体情報を検知する薄型センサを組合わせて配置する構成を特徴とする。ヒータは座席の発熱領域を形成し、放射領域は高さ方向の寸法を幅方向より小さく設定することで、ヒータ面に対する電磁波の影響を最小化する。放射領域は第1方向に対して垂直な第2方向、さらに第3方向の寸法関係を考慮して、蛇行部の隙間や外方・内方など、複数の位置に配置することにより、ヒータエレメントと放射領域の干渉を回避する。60GHz帯のレーダを想定し、エンドファイアアレイ型の送受信アンテナと信号処理ICを組み合わせる例が多い。信号処理ICはFM-CW方式を採用し、送信側は複数のアンテナ素子へ周波数変調信号を出力する。受信側は各素子の反射波を検波・解析し、距離・方位・速度・呼吸・心拍などを推定する。推定結果はECUへ通知し、ブレーキ制御や座席温度・空調の最適化など車載制御に活用できる。図面の例では、放射領域をヒータの蛇行部の間に配置し、ヒータの発熱領域と干渉しないよう設計されている。
