ステアリングホイール用誤検知抑制型電極構造体

この電極構造体は、リムの前面側に第一領域、背面側に第二領域を設け、第一センサ電極と第二センサ電極をそれぞれ配置します。中立位置のとき、下肢対向部には両電極が触れていないか、一方のみが触れている状態となり、握り方による誤検知を抑制します。下肢対向部の接触でも、両電極が同時に反応しないよう設計されています。導電層は引っ張ると比抵抗が増える性質があり、巻き付け時の引張で感度のばらつきを抑えます。切欠部や突出部、傾斜部を用いて検知領域と不感領域を分離し、検知精度を高めます。第一部・第二部の形状や、第一導電層・第二導電層の重なりは、手の接触位置に応じた感度バランスを提供します。さらに基材の端が隣接部で揃うよう巻く設計のため、巻き付け不均一性による感度変動を抑制します。これらの工夫により、リム周囲の検知性能を安定させ、車両の制御回路への信号信頼性を高めます。

本技術は、ステアリングホイールのリムへ巻き付ける静電容量式電極構造体を用い、把持検知の信頼性を高めつつ誤検知を抑制することを目的とします。基材はリムの前面側に第一領域、背面側に第二領域を設け、第一センサ電極と第二センサ電極をそれぞれ配置します。中立位置では、下肢対向部には双方の電極が配置されない、または一方のみ配置される場合があり、下肢の接触による検知誤作動を回避します。導電層は引張で比抵抗が増加する性質をもつ薄層で、リムへ巻き付ける際の張力分布により感度のばらつきを抑制します。第一切欠部・第一突出部、第二切欠部・第二突出部等の構成は、検知領域と不感領域を適切に分離し、検知感度の急激な変化を抑制します。実施形態では、第一センサ電極を二分割して左右検知とする、第二センサ電極を延出部で覆う、第二センサ電極を複数部に分割するなどのバリエーションが示され、巻付けの不均一性や干渉を回避します。これにより、握持位置に依存する感度差を低減し、制御回路へ安定した信号を提供します。さらに下肢対向部では誤検知を抑制する設計となっており、運転者の下肢が接触しても把持検知が過剰に作動しにくくなっています。実用上は、第一導電層・第二導電層の重ね合わせ、傾斜部の配置、切欠部の形状を自由度高く選択できるため、車両種や運転習慣に合わせた最適化が可能です。技術的には、導電性シートの引張特性を活用した感度補正、局所的な不感領域拡大の制御、及び不均一巻付けを補正する構造設計が核となります。これらの要素を組み合わせることで、誤検知の抑制と安定した把持検知を両立します。