ステアリングホイール用電極構造体と耐久性樹脂層

技術の概要

本技術は、ステアリングホイールの芯金の周囲に配置される電極構造体と、それを覆う樹脂層・発泡体の組み合わせによって、形状を保持しつつ耐久性を高め、把持検出機能を安定させることを狙います。把持検出と表面温感の両機能を、リム表面近くで効率的に実現します。

ユースケース

  • 把持検出用静電容量センサとしての用途
  • リム表面の温熱機能を併用した把持検出の強化
  • 形状保持と耐湿性の向上による長寿命化
  • 発泡体による外郭保護と握り心地の向上
  • 芯金・電極の取り付けを確実にする係合機構の活用

第1樹脂層は芯金(芯となる金属部品)の外周に沿って配置され、一方の面には長尺状の第1電極が設置されている。樹脂層はシート状またはフィルム状で、耐湿性と形状保持性に優れた素材を用い、芯金と電極を離して配置する。絶縁支持体(電気を通さない支え)は芯金側と電極を分離し、第1係合部と第2係合部で芯金の凹部(内側の窪み)に係合する。第1電極は握持検出用の静電センサ電極として使われる場合とヒータ線として発熱する場合のいずれかで動作する。発泡体は第1樹脂層を覆い、リム外郭を形成して握りやすさと保護を両立する。

本技術の要点は、芯金を外周側に覆う電極構造体を、第1樹脂層・絶縁支持体・第1電極の順に積層する構成により、形状保持性と耐久性を両立させる点にある。第1樹脂層は変性ポリフェニレンエーテル系または同様の樹脂を用い、芯金の形状に沿って成形されていることで、芯金の凹部を含む周囲形状の再現性を高める。絶縁支持体は樹脂材料で、芯金と第1電極の間に介在して電気的接続を防止する。第1電極31は導線・金属薄膜・導電性インクのいずれかで形成され、芯金から離隔して配置される。静電容量の変化を検出することでリムの把持を認識する静電センサ機能と、ヒータとしての発熱機能を排他的または共用で実現できる。ハーネスは第1電極と制御回路を結ぶ供給線で、電源部からの直流または交流を印加して動作を駆動する。発泡体はウレタン系で、芯金・絶縁支持体・第1電極・第1樹脂層を埋設して外郭を形成するための保護層として働く。さらに、被係合部・係合部の組み合わせにより芯金への取り付け時の位置ズレを抑制する。これらの構成は、従来の熱可塑性ポリイミド系フィルムヒータと比べ、形状保持性と耐久性の両立を実現する。

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