発泡粒子含有の熱可塑性振動板と簡素製造法

技術の概要

熱可塑性繊維と発泡粒子を組み合わせた振動板を抄紙と熱プレスで製造する方法と、それを用いたスピーカ構成を示します。従来より製造工程を簡素化でき、振動板の軽量化と気密性・防水性の向上を同時に実現します。

ユースケース

  • 小型スピーカの振動板として使用
  • 薄型・高音質スピーカの部材として使用
  • 車載用スピーカの振動板として使用
  • 防水・耐油性が求められる屋外環境向けスピーカに適用
  • 内部損失調整や音響特性の最適化部材として導入

振動板は、熱可塑性繊維と発泡粒子を混合した混合液を抄紙(紙を板状に成形する工程)で成形し、その後熱プレスで固化します(熱プレス=加熱して圧力を加える加工)。発泡粒子は加熱により膨張して繊維間の隙間を狭め、振動板の気密性と防水性を高めます。さらに、強化繊維やフィブリル化繊維を組み合わせると、振動板は軽量で剛性が向上します。含有比の目安は、熱可塑性繊維10–40%、発泡粒子5–30%、強化繊維20–60%、フィブリル化繊維10–30%です。これにより、音速の向上と内部損失の適切なバランスを図れ、従来より高性能で生産性の高い振動板となります。

本技術は、熱可塑性繊維と発泡粒子を混合し抄紙で振動板を成形後、熱プレスで固化する点が要点です(抄紙=紙を板状に成形する工程、熱プレス=加熱して圧力を加える加工)。混合比は熱可塑性繊維10–40%、発泡粒子5–30%、強化繊維20–60%、フィブリル化繊維10–30%を推奨します。抄紙工程では発泡粒子の捕捉性を毛羽立ち(毛羽立ち=繊維表面が毛羽状になる状態)を活かして高め、熱プレス時に発泡粒子が膨張することで隙間を縮小します。比重0.5以下、肉厚0.5mm以下とすることで磁気回路とスピーカ本体の軽量化を実現します。耐水耐油剤やロス材を含めると耐候性と内部損失の調整が可能です。音速は2500m/s以上を目標とし、広帯域と高音質の両立を狙います。スピーカは振動板、ボイスコイル体、磁気回路から構成され、振動板の複合材料特性により従来より短時間の製造が可能です。

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