技術の概要
車載用ヘッドアップディスプレイのカバーを安定させ、浮き上がりを抑える構造と組み立て手順を解説します。壁部と爪部でカバーを挟み込み湾曲させることで、大型化を抑えつつ塵埃侵入を防ぎ、メンテ性を向上します。
ユースケース
- 自動車のダッシュボードへHUDを搭載する際の安定保持
- 大型開口を伴うHUDの浮き上がり防止設計による外観保持
- 組み付け工数削減と材料コスト低減を実現するカバー保持機構
- 風景投影光路の安定性と塵埃・水滴侵入防止を両立する設計
- 車以外の産業機器(鉄道・船舶・産業機械)へのHUD適用
本技術は、車載用ヘッドアップディスプレイのカバーを、壁部と複数の爪部で挟み込み、カバーを湾曲させた状態で支持する構造です。カバーは、複数の第一係合部と押え部で挟まれ、載置面に沿って湾曲します。これにより、カバーが外部から押圧されても浮き上がりを抑え、車内外観の美観を保ちつつ、大型化を抑制します。さらに、第一延部と第二延部には排水構造が設けられており、カバー表面の水滴を下方へ排出します。
本技術の要点は、ヘッドアップディスプレイのカバーを湾曲保持する機構を、壁部と複数の爪部、及び突起で実現した点にあります。第2筐体の壁部は開口を囲み、第一延部と第二延部が対を成す非対称外周を構成します。カバー40には複数の第一係合部と第二係合部を設け、爪部が第一係合部に挿入されてカバーを載置面へ挟み込む。さらに突起が第二係合部と係合し、カバーの水平・垂直方向の移動を制御します。排水構造は第一延部と第二延部に分布し、カバー表面の液滴を下方へ排水します。組付け手順として、カバーを第2開口に覆い、Y方向へスライドして挟み込み、浮き上がりを抑制しつつ密着を維持します。これにより、両面テープ等の追加部材を使わずに固定でき、製造コストを低減できます。設計上は外周を非対称にすることで左右・前後の応力分布を均一化し、長期信頼性を高めます。使用上は、ダッシュボードデザインの自由度を保ちつつ、ゴミや水滴の浸入を抑える点が利点です。技術的には、第一延部・第二延部の排水構造は複数の爪部と対応しており、カバーの浮き上がりを抑制する効果を高めます。量産時には、カバーの位置決めを突起と係合部の組み合わせで行い、組付け性を向上させます。
