技術の概要
車両の現在地と方位情報を利用し、経路方位と自車方位の差分を判定して表示方位を補正します。フロントガラス越しの虚像表示で目的地までの案内を直感的に伝え、車線変更やカーブ時の表示精度を向上させます。
ユースケース
- 車載HUDの表示精度向上
- 経路案内の直感性改善
- 車線変更・カーブ時の方位補正
- ナビ情報と実車方位の同期
- 運転支援・安全性向上の補助
本技術は、車両に搭載された推定部・算出部・描画部で構成され、ナビ地図の経路情報と自車位置・方位を使い表示方位を決定します。経路上の現在地における経路方位と自車方位との差分θを算出し、θが閾値θT未満なら経路方位を第1の方位として虚像表示します。θT以上の場合は第1の方位を基準に不感帯角度θDを差し引いた第2の方位を表示します。θDは車線数・地図精度等に応じて動的に決定され、方位の過度な振れを抑制します。
本発明は、ヘッドアップディスプレイに表示される表示画像を車両の現在地・方位情報とナビゲーション地図情報に基づき適切な方位へ誘導する表示システムとその制御方法である。表示部は虚像として表示される表示画像を投射・反射させ、コントローラは自車方位推定部42、算出部44、描画部46を統括する。自車方位推定部はGPS・車速・ジャイロセンサ等から車両の現在方位を推定する。算出部は経路情報に記載された現在地の経路方位と自車方位との差分θを算出する。θが閾値θT未満の場合には第1方位を採用し、θT以上の場合には第1方位から不感帯角度θDを差し引いた第2方位を算出する。θDは走行状況・車線数・地図精度等に応じて動的に決定され、車線数が多いほど経路点のばらつきが大きくなるためθDは大きくなる。描画部46は算出結果に基づき表示パネル38へ表示画像を描画する。表示状態は色・点灯・サイズ・位置などを前後で変更でき、補正が適用されたことを運転者に分かるようにする工夫も可能である。本システムの効果は、車線変更時・クランク路・カーブ出口付近等において表示方位の精度を高め、経路追従性と直感性を両立する点にあります。
