技術の概要
ステアリングホイールのリムに巻き付ける電極構造体の組付工程を簡略化する技術です。基材上にセンサ電極を配置し、ハーネスとコネクタを組み合わせることで、出荷時の配線ループを回避します。中継コネクタの採用により現場での接続作業を柔軟化します。
ユースケース
- 車載グリップセンサの把持検出と応答処理の最適化
- リム巻付け時の配線ループ回避による組付作業の簡略化
- 中継コネクタ活用によるハーネス分岐の柔軟化と保守性向上
- 冬季におけるステアリングホイールの温感性向上(グランド電極機能)
- シャフト近傍配置による振動耐性の向上と長期信頼性確保
本技術は、車両のステアリングホイールのリムに巻き付ける電極構造体で、基材と前記基材の一方面に配置された第1センサ電極と、第1センサ電極と並ぶように配置された第2センサ電極と、第1ハーネスと第2ハーネスとを引き出す部材、これらをECU用コネクタへ接続する構成を含みます。中継コネクタは第1ハーネスまたは第2ハーネスの少なくとも一方に設けられ、雄コネクタと雌コネクタを組み合わせて出荷時に接続を分離可能とします。リムへ巻き付け後のループを抑制するため、接続を一時的に解除してから巻付け、巻付け後に再接続する運用が可能です。さらにグランド電極と第3ハーネスを追加することで、手触りの安定や暖機機能を付与する構成も可能です。中継コネクタの配置はシャフト近傍に集約でき、振動時の接続保持性を高めます。これにより組付工程の省力化と品質安定を両立します。
本技術は、移動体のステアリングホイールのリムに巻き付けられる電極構造体を対象とする。基材は絶縁性を有する長尺シートで、一方の長手方向の一側面に第1センサ電極12と第2センサ電極13を帯状に配置する。各センサ電極から引出されるハーネス31、32はECU用コネクタ3bへ接続され、必要に応じて中継コネクタ4xを介して分岐・分離可能とする。中継コネクタは第1ハーネス31側と第2ハーネス32側に設けられ、それぞれ第1雄コネクタ/第1雌コネクタ、第2雄コネクタ/第2雌コネクタの組合せで構成され、出荷時には接続を解除して折り曲げずに出荷できる。第1ハーネス31側と第2ハーネス32側の接続を解除することで、リム巻付け後の配線ループを回避し、組付工程の時間短縮と不良低減を実現する。加えて、グランド電極14と第3ハーネス33を追加する構成では、グランド電極を温度発熱源として活用し、冬季の握り心地を改善できる。中継コネクタの配置はステアリングホイールのシャフト近傍にすることで慣性モーメントの影響を抑え、振動時の破損リスクを低減する。実施例として、技術1〜4の組み合わせによる複数の変形例が示され、感度対称性の確保や不感領域の設定、荷重/長さ制約などの設計指針が詳細に記されている。これらは、出荷時の折り畳み・巻付・組付を最適化し、車両組立ラインでの作業効率と信頼性を高めることを目的とする。
