技術の概要
車載用カメラの筐体周りに配置されるリング部材を二層構造にすることで、製造コストを抑えつつ光学性能を維持します。第1層と第2層が異なる役割を担い、第2層突起部が筐体内部に適切に固定します。回路基板の変更があってもフランジ部と筐体端部の接合を保つ設計です。
ユースケース
- 製品バリエーションの迅速な対応
- 筐体サイズ変更時の設計負荷低減
- 光ハレーション防止と暗部品質向上
- ライン製造での部品コスト削減
- 回路基板変更に対するレンズユニットの適応性
本技術は、車載カメラの周辺部に配置されるリング部材を二層構造にすることで、回路基板の変更があってもレンズユニットを大きく変更せずに対応する点を説明します。第一層は筒状部の周囲を覆い、第二層は回路基板の近くへ配置され、筐体内面に向かって突出する突起部を持ちます。第一層の第五面はフランジ部の第一フランジ面に固着され、第二層の第二端面は筐体内部面と接触するように設計されています。第二層突起部は筒体の内面に当接し、光が筒内部へ入り込むのを防ぐため、ハレーションを低減します。これにより、筐体サイズの変更が生じても、レンズユニットのサイズ変更を最小限に留め、製品ごとの部材を共通化できます。
本発明の要点は、車載用カメラの筐体周辺を覆うリング部材を二層構造とし、レンズユニットのフランジ部と筐体の大径筒状部を固定する点にあります。第一層は周方向に沿い、厚さを第1厚さとして配置され、フランジ部の第1フランジ面に接着またはレーザ溶着されます。第二層は第一層より面積が小さく、筐体内面に向かって突起部を突出させ、回路基板近傍に配置されます。第一層の第5面はレンズユニットのフランジ面へ固着され、第二層の第2層突起部は筐体の内面に当接して支持を得ます。こうしてリング部材は大径筒部の寸法変更があっても、第2層端面の突起部で内面を確実に接触させ、レンズユニットのフランジ部を第2層内面に固定します。さらに、光の透過性を管理する材料選択(光透過性樹脂と光吸収性樹脂の組み合わせ)と、レーザ溶着工程を採用することで、外部からの光の透過を抑え、撮像素子のハレーションを防止します。筐体大径部の内部光路を遮断する設計は、撮像素子のハレーション抑制に寄与します。製造上の利点として、回路基板の変更によって筐体サイズが変化しても、レンズユニットの変更を回避でき、製品ラインの多様化とリードタイム短縮を実現します。一方、突起部の数・位置・形状や凹部の配置は、機械的強度と製造性の折衷点であり、最適化には品種毎の試作が必要です。 この設計は、部材の軽量化にも寄与します。
