車両後方視認を向上させる表示制御装置

技術の概要

本解説は、車両に搭載された表示制御装置とその手法を俯瞰します。後方画像を拡大表示して視認性を高める仕組みと、走行状態に応じてトリミング範囲を動的に変更する点を概説します。

ユースケース

  • 後方の撮影画像を拡大表示して視認性を高める用途
  • 複数ディスプレイ間で第1画像を跨って表示する用途
  • 走行状態に応じてトリミング範囲を動的に変更する用途
  • 表示部に表示する第1画像を通常表示と拡大表示の両方で切替える用途
  • 表示制御装置の機能をソフトウェアとして提供し、車載システムへ組込み可能

この技術は、車両に搭載された表示制御装置で後方画像を拡大表示することで視認性を高めるしくみを提供します。走行状態を取得部で得て、後方の撮影画像から表示部に表示される第1画像を抽出します。判定部は第1画像を大きくするべきかを判断し、Yesと判定した場合、制御部がトリミング範囲を拡大して第1画像を生成し、表示部に表示します。通常は通常のトリミング範囲で表示しますが、拡大判定時には左右方向・上下方向の範囲を広げ、車両後方をより広く視認できるようにします。複数ディスプレイがある場合には第1画像を跨って表示し、他の画像を縮小したり分割配置したりして情報量を保ちます。これにより死角の低減と運転支援の両立を目指します。

本技術は車両の表示部群へ後方映像を動的に適合表示する表示制御手段を提供する。画像取得部は車両後方の複数カメラ画像を取得し、走行状態判定部・取得部が車両の現在状態を推定する。判定部は、後方画像から抽出した第1画像を大きくする要求があればYesを返す。制御部はこのとき撮影画像のトリミング範囲を拡張して第1画像を生成し、画像出力部を介して表示部に出力する。通常時は通常範囲で表示するが、拡大要否がYesの場合には横方向や縦方向のトリミングを広げ、結果としてディスプレイを跨ぐ大画面表示を実現する。表示部が複数ディスプレイの場合、拡大画像を跨って表示する際には他の画像の縮小・再配置を行い、情報量を維持する。さらに、車両の前進/停止/左折/右折/後退などの走行状態を走行状態判定部が検出し、拡大方向を適切に決定する。この設計により、後方視界の確保と画面遷移時の情報過多を抑制でき、運転手は広範囲の後方を把握しつつ運転操作に集中できる。実装上の注意点として、トリミング範囲の最大値の設定、表示部の配置、描画遅延、電力消費、そしてユーザ選択によるデフォルト表示の設定が挙げられる。

この技術について問い合わせる

名前
利用規約とプライバシーポリシーに同意して送信する