技術の概要
本技術は、電子発熱部品の放熱を効率化する電源装置の構造を示します。筐体の一端面に熱伝導性の絶縁層を設け、絶縁層と発熱部品の間に熱伝達性の接着層を挟んで放熱経路を確保します。従来のグリスや金属基板を介さず、低熱抵抗で筐体へ熱を伝えます。
ユースケース
- 車載充電器・インバータなどの車載電源装置
- 高出力半導体を用いる電力変換機器
- 薄型・軽量化を要求される産業用電源
- 水冷要素を備えた熱管理が必要な電子機器
- 高信頼性が求められる工業・交通機関向け電子機器の放熱設計
本技術は、電子発熱部品の放熱を効率的に行う電源装置の構造と特徴を中学生にも分かるよう解説します。筐体の一端面に熱を伝えやすい絶縁層を設け、絶縁層と電子発熱部品を熱的に接触させる接着層を配置します。熱は接着層と絶縁層を経由して筐体へ伝わり、筐体の放熱機能によって外部へ逃がされます。必要に応じて放熱板を対向配置し、放熱をさらに高めます。グリス塗布や金属基板を用いないため、部品間の熱抵抗が低く、薄型化や製造工程の簡略化にもつながります。
本実施形態の電源装置は、筐体・絶縁層・接着層・電子発熱部品・放熱板・モールド・回路基板から成る積層構造で、発熱部品の熱は接着層と絶縁層を介して筐体へ伝わり、筐体を通じて外部へ放熱される。絶縁層は熱伝導性と絶縁性を兼ね、アルミナやシリカなどの無機フィラーを含む材料で構成されることが多い。接着層はエポキシ系・シリコーン系・ウレタン系などの伝熱性樹脂で作られ、熱と機械的な結合を同時に成立させる。放熱板は発熱部品の対向面側に設置され、熱を分散する。熱設計上の要点は、熱抵抗の低減と界面伝熱の確保、放熱経路の直通性である。製造では、絶縁層形成、接着層形成、電子発熱部品配置、端子と回路基板の接続を順次行い、接着層の硬化条件を厳密に管理する。従来のグリスや金属基板を介さないため、放熱経路の短縮・薄型化・部品数の削減が実現でき、車載機器や産業用高出力機器の信頼性と小型化に寄与する。
