車両用複数表示デバイスの描画整合制御

この技術は、車に搭載された複数の表示デバイス間で、描画される物の見え方の差を減らすしくみです。制御部は、各デバイス用に描画物を生成し、それぞれの画面へ出力します。描画物は、車両周囲の映像と重ねて表示され、視点の違いによる距離感のずれをそろえるよう、色・大きさ・角度をそろえます。必要に応じて、仮想の三次元空間を用いて描画物の座標情報を作成・共有し、複数デバイス間で整合を取ります。具体例として、鳥瞰画像上の矩形枠や強調マークを複数画面に同じ位置で表示します。これにより、駐車時や周囲確認時の表示関係の崩れが抑えられ、運転者の視認性と安全性が向上します。

要点は、複数表示デバイス間での相対位置関係の統合と描画物の出力同期です。本発明では、生成部が仮想三次元空間に仮想描画物を描き、その座標情報を物標情報として保持します。描画部は、取得部で取得される車両周囲のセンサ情報と物標情報を組み合わせ、各描画物を第1〜第4の表示デバイスの出力データとして出力部へ供給します。これにより、車両前方のHUD、センターディスプレイ、電子ミラー等、異なる視点を持つ画面間で、描画物の相対位置・色・大きさ・アングルを揃えます。さらに、生成部は、描画物同士の共有される物標情報を利用して、画面間のズレを補正するための補正パラメータを算出し、出力部は各デバイスごとに最適な座標変換を適用します。仮想空間を使うことで、視点間の幾何ゆらぎを吸収し、複数デバイスの表示ピッチを揃えられます。特許文献に記された技術は、技術1〜技術10の各要素を適切に組み合わせ、車両のセンターディスプレイ、HUD、電子ミラー、路面照射等の表示デバイスに対して、描画物の色・大きさ・アングルの同期、描画物の重畳位置の正確性、リアルタイム性の確保を実現します。