ねじ締め不良判定・分類装置

技術の概要

本技術は、ねじ締め工程で生じる不良を、種別を問わず判定する不良判定装置と、過去の良品データから学習したモデルを用いて不良の種類を分類する機能を組み合わせたものです。対象物理量としてはモーターのトルク波形などを用い、正常な締結データと比較して新たな締結が正常かどうかを判断します。必要に応じて、ねじのサイズ差を考慮した前処理を組み込み、複数サイズに対応します。

ユースケース

  • 自動化ラインの品質向上
  • 不良原因の早期検知と隔離
  • 多様なねじサイズへの適応
  • 学習済みモデルの再利用と更新
  • 工程の最適化と予防保全支援

本技術は、ねじ締め装置の動力源に生じる物理量を用いて、ねじ締めが正常に完了したかを判定する不良判定装置と、過去の正常締結データを学習して良品の特徴を抽出する学習部、そして新たな締結の状態を評価して不良を分類する不良分類機能を組み合わせたものです。対象物理量としてはモーターのトルク波形や回転速度波形を用い、良品の複数回分のデータから学習済みモデルを生成します。新しいねじ締め時には、これを適用して、正常かどうかを距離や閾値の比較で判断します。前処理部を用いて、ねじのサイズ差に対応する正規化を行い、様々な長さ・太さのねじにも適用可能とします。検出対象には異物噛み・ねじ浮き・カムアウト等を含み、閾値設定次第で誤検知を抑制します。

本発明の要点は、非監視あるいは半監視的な機械学習を組み合わせ、ねじ締めの正常と不良を同時に検知・分類する点にある。装置は、物理量取得部、良品学習を行う学習部、良品データを用いて第1学習済みモデルを生成するモデル取得部、予測対象の物理量を評価する判定部、前処理部、分類部を有する。良品学習では、正常締結時のトルク波形を入力として、k近傍法やニューラルネット等の手法を用いて第1学習済みモデルを作成する。判定部は、予測対象の物理量と第1学習済みモデルとの距離を算出し、閾値未満なら正常と判定する。異常が検出された場合には、第2学習済みモデルを用いて具体的な不良種別(ねじ浮き、異物噛み、底付き、ねじ山潰れなど)を分類する。前処理部は、ねじサイズの違いに対応するため、波形の正規化、開始点と仮着座点の検出、時間軸の伸縮を実施し、規定サンプル数に整える。第3実施形態では、ねじの長さ差がある場合の前処理として、開始から仮着座までの区間の正規化を分割して適用する方法を追加する。これにより、トルクの波形だけでなく回転速度の波形も扱え、多様なサイズに対応可能となる。効果として、種別を問わず不良の検知・分類が可能となり、現場のライン品質向上とトラブル対応の迅速化が期待できる。

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