移動体搭載撮像装置で画角可変画像を同時取得

技術の概要

本技術は、移動体に搭載された撮像装置で、画角が異なる複数の画像を1つの装置で得られる設計です。撮像素子と光学系の構成を工夫し、被写界を中心部と周辺部で使い分けて表示デバイスごとに最適な画像を提供します。共通の撮像系で高解像度と広角画像を両立します。

ユースケース

  • 電子ルームミラー用の高解像度画像を得る用途
  • 車載ディスプレイ用の広角画像を得る用途
  • 共通の撮像系でコスト削減を図る用途
  • 取り付け角度に左右されず柔軟に適用できる車載用途
  • 周辺視野や全方位映像の生成など多目的用途

本技術の撮像装置は、撮像素子と光学系で構成され、画角に応じて被写界からの光を結像します。撮像素子は二次元に配置された多数の画素で画像データを生成します。光学系は画角に応じた拡大率で像を結像し、撮像面の光軸は中心から所定距離だけ外れた位置に設定されます。これにより、電子ルームミラー用の狭い画角の領域の画素密度を高く保ちつつ、車載ディスプレイ用の広角領域の画像も同時または順次取得できます。被写界の角度は仮想的な同心円に対応し、光軸からの距離が大きくなるほど角度間隔は小さくなるので、中心領域の解像度を高く、周辺領域は少ない画素で表現します。さらに、光軸のオフセットは正負を選択可能で、取り付け位置や仰俯角に応じて最適化されます。本装置は、共通撮像系で異なる画角の画像を得ることで、部品点数を抑えつつ高品質な電子ルームミラー画像と広角画像を両立します。

本発明の要点は、撮像素子と光学系を組み合わせ、画角に応じて結像位置と拡大率を動的に調整する設計にあります。撮像素子は3840×2160などの高解像度センサを用い、電子ルームミラー用領域と車載ディスプレイ用領域の画像データを処理装置へ送ります。光学系は光軸を撮像面中心から所定距離だけオフセットし、同心円状の位置関係で被写界の角度を決定します。図示された同心円は、光軸からの角度を等分するのではなく、画角が大きい領域では間隔を広く取る設計で、中心域の解像度を維持しつつ周辺域の画素を節約します。正・負のオフセットが選択可能で、取り付け角度や配線経路に応じて最適化します。画像処理装置はキャリブレーション、ガンマ補正、歪曲補正を適用し、電子ルームミラー用と車載ディスプレイ用にそれぞれ適切な視点とサイズで出力します。本技術により、共通撮像系で多画角画像を得つつ、解像度と広角性を両立でき、車両の取り付け条件に応じた柔軟な適用が可能です。

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