技術の概要
本技術は、振動板に内ボイスコイルと外ボイスコイルの二つを取り付ける構成です。内信号線が外ボイスコイルの振動へ影響を及ぼさないよう、外ボビンの配線部を通して配線します。これにより高音域の再現性を高めつつ小型化を実現する可能性があります。
ユースケース
- 高音域を含むスピーカ・マイクなどの電気音響変換装置
- 小型化と高性能化が求められる携帯・車載オーディオ機器
- 高周波領域の音響信号の再現性を向上させる設計部品
- 二重ボイスコイル構造の実装・評価用途の研究開発
- 信号線の干渉抑制機構を活用したノイズ低減ソリューション
本技術は、振動板に内ボイスコイルと外ボイスコイルの二つを取り付け、内側の信号線が外側のボイスコイルの振動に影響を与えないように配線する点が特徴です。外ボビンには内信号線が貫通する孔状または切り欠き状の配線部が設けられ、内信号線は挿通部を通して外ボビン内部とフレームへ導かれ、充填部で固定されます。これにより外ボイスコイルの振動と内信号線の機械的接触を抑制し、信号線の撓みを減らして音響変換の安定性を高めます。振動板の周波数帯域を高音域側へ広げつつ、全体の軽量化と高効率化を狙います。なお、配線部の形状は実施形態により異なり、接着剤で固定する方法が一般的です。
本発明は、内外二つのボイスコイルを同心に配置し、内信号線が貫通部を介して外ボビンに配線される構成を特徴とします。外ボビンの孔状または切欠き状の配線部と挿通部は、内信号線のフレーム内導入を実現し、外振動のカップリングを低減します。信号線は錦糸線等の柔軟性の高い導線を用い、フレーム挿通部は複数箇所設けて内外の信号線を確実に分離します。磁気回路は外磁型で、内磁気ギャップと外磁気ギャップを形成します。内ボイスコイルは内ボビンを備え、巻軸方向に沿って配置され、内膜部の面積を小さくして高周波特性を改善します。外ボイスコイルは外ボビンを介して振動板の外縁部を活性化し、音圧向上に寄与します。実施形態2では矩形環状の部品を採用し、端子170を用いて内外の信号線を独立に接続でき、周波数帯域の異なる信号を別々に処理することが可能です。設計上は、内信号線と外信号線の平面配置を揃え、機械的ストレスを低減します。これにより、二重ボイスコイル構造の高音域拡張と駆動安定性を両立し、スピーカやマイク、携帯・車載オーディオ機器などの高忠実度電気音響機器に適用可能です。
