車載ディスプレイによる車酔抑制表示制御

技術の概要

車内のディスプレイ映像を、車両の挙動に応じて表示形式を動的に変更する技術です。後席乗員の車酔いを抑えつつ、映像視聴の快適性を高めます。

ユースケース

  • 車内ディスプレイの映像視聴時の車酔抑制
  • 車両挙動に応じた表示状態の自動切替
  • 後席乗員の視線方向の正面性改善
  • 着座検知と連携した個別表示位置
  • 車載ネットワークと映像制御の連携

本技術は、車内の後席と前席の間にあるディスプレイを用い、車両の挙動に応じて映像の表示を制御します。第一の条件が満たされるときは、映像の中心をディスプレイの中心に置き、表示を最大サイズで行います。第二の条件が満たされるときは、映像を縮小して中心を第2の位置(左または右)へ移します。第三の表示態様では、映像が表示されない領域を背景色等で埋め、没入感と視認性の両立を図ります。さらに、着座検知と連携して後席の座位置に応じて縮小映像の表示位置を自動調整します。乗員は操作部で表示を切替えることもできます。

本発明の要点は、車両内表示装置の表示状態を、車両の加速度情報と座席着座検知情報に基づいて動的に変更することにより、後席乗員の車酔いを抑制しつつ映像視聴の快適性を確保する点にあります。具体的には、加速度の方向別平均値を閾値α/βで判定し、αを超えると縮小表示または全面遮光、低速または静止時は大画面表示を優先します。第一表示態様は、映像中心をディスプレイの中心に置き、最大サイズで表示します。第二表示態様は、加速度が閾値を超えた場合、映像の中心を第2の位置(左下または右下)に移し、面積を約1/4~1/16に縮小します。第三表示態様は、車両の加速度が第1と第2の中間程度である場合に選択され、映像の周囲を背景色または淡色の画像で覆い、縮小映像と背景の組み合わせで没入感と視認性の両立を図ります。さらに、後席の着座検知結果に応じて縮小映像の表示位置を調整します。表示装置は、映像制御部・音響制御部・IVI装置と連携し、目的地経路が設定されていればガイド映像と連携して表示を変更可能です。映像が縮小された場合にはテロップで状態を通知し、必要に応じて音声案内を併用します。加速度の推定は、経路予測に基づく今後の平均加速度または過去の履歴から算出され、時間平均を用いることでノイズを抑制します。これにより、乗員は正面視で映像を視聴しつつ車外風景の視認性を損なわず、車酔いのリスクを段階的に抑制できます。

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