サブアレーでグレーティング抑制するレーダ装置

技術の概要

送信アレーと受信アレーをサブアレー構成で統合し、所望の指向性を実現します。隣接アンテナ間隔の差を特定範囲に保つことでグレーティングローブを低減します。DOA推定を活用することで広角検知の追従性と信頼性を向上させます。

ユースケース

  • 自動車の周囲検知システムの性能向上
  • 歩行者・車両の広域検知と安全性向上
  • DOA推定の高精度化とリアルタイム追従
  • サブアレー設計の最適化検証・教育用教材
  • 監視用途の防犯・安全監視

本技術は、送信アレーと受信アレーのそれぞれに複数のサブアレー素子を配置し、サブアレー間隔と全体配置の組み合わせでグレーティングローブの発生を抑制し、所望の指向性パターンを実現する。具体的には、水平方向の第1方向と直交する第2方向の間隔差を調整することで、主梁の両側に出る偽像を低減する。隣接する送信アンテナ間隔と隣接する受信アンテナ間隔の絶対値差を0.5波長以上0.75波長以下に設定することが推奨される。サブアレー素子のサイズはDeとする場合、DtとDrの差をDeに近づけ、仮想受信アレーの開口長を効果的に増やす。波形はパルス波または周波数変調パルスで、相関演算・加算・ドップラー解析・方向推定を連携させ、測定レンジと演算量を適切に制御する。

本発明の要点は、送信アレーおよび受信アレーをサブアレー構成として組み込み、配列配置と素子間隔の設計によって、グレーティングローブが生じる角度範囲を低減し、広いビームを確保する点にある。具体的には、第一方向(水平)における隣接アンテナ間隔と第二方向における間隔の差の絶対値を0.5λ以上0.75λ以下とする。これにより、仮想受信アレーの等価開口長が増大し、DOA推定性能が向上する。サブアレーは2×2などのブロック構成で実装され、Dt(送信)とDr(受信)の間隔はDe=λ/2程度を基準に、中心部で一致させる設計が好ましい。送信は複数アンテナの時分割/多重により信号を得、受信は各アンテナ素子で信号を分離・直交検波・ADC変換を行い、相関部・加算部・ドップラー解析部で処理する。相関演算は移動体の反射が高相関となる区間を選択し、Np回の周期でコヒーレント積分する。Nc回のドップラー成分を統合し、FFT/ゼロ埋めを併用して演算量を抑える。方向推定部は仮想受信アレーの相関ベクトルを用い、ビームフォーミング法、Capon法、MUSIC等のアルゴリズムでDOAを算出する。実用では、パルス波、連続波、周波数変調パルスのいずれにも適用可能で、車載・屋外監視・産業用の広域検知など多様な用途に対応する。

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