技術の概要
輻射ヒータ装置の信頼性を高める設計を紹介します。平板状のヒータ素子と第一面側の第一輻射シート、第二面側の断熱材を組み合わせ、第一輻射シートの端部を折り返して接着面を大きくします。加熱面の剥離や劣化を抑え、熱の分布を均一化します。
ユースケース
- 自動車の車室内の暖房・座席周辺の局所加熱
- 航空機・鉄道車両・船舶などの移動体内装の暖房・温度均一化
- 産業機械・設備の表面温度制御と保護
- 家電機器・電子機器の局所加熱・温度安定化
- 什器・建材の暖房・乾燥工程などの局所加熱
本技術は、輻射ヒータ装置の信頼性を高める構造を提案します。平板状のヒータ素子の前面には第一伝熱シートで熱を広げ、後面には断熱材を配置します。第一輻射シートの端部を折り返して第二面側に重ねることで、ヒータ素子の端縁を包み込み接着面積を大きくします。これにより剥離を抑制でき、発熱部の損傷リスクを低減します。さらに第一伝熱シートと第二伝熱シートを介在させる設計により、ヒータ線と基材の温度差を緩和し、輻射熱の放射量を増加させます。断熱材の後面を第一輻射シートの端部で覆う場合や、第二輻射シートを併用する形態では、低温環境下での両面テープの接着力低下を抑制し、装置全体の信頼性を高めます。
本稿は、輻射ヒータ装置の要点を技術者が把握できるように記述します。ヒータ素子は基材とヒータ線を有する可撓性シートで、前面には熱を広げる第一伝熱シート、後面には断熱材を配置します。中央部の第一輻射シートがヒータ素子から熱を受け、端部を折り返して第二面側の断熱材後面に重ねることで、第一伝熱シートと第一輻射シートの接触面を拡大し、剥離を抑制します。第一伝熱シートは高熱伝導性材料、第二伝熱シートは相対的に低熱伝導性材料として熱分布を均一化します。さらに第一輻射シートの端部が断熱材後面を覆う構成を採ると、端部の熱流動が抑制され、低温下での両面テープの接着力低下を緩和します。実施形態には、第一伝熱シートと第二伝熱シートの有無・配置の組み合わせを含み、総じて輻射熱の放射量の向上と部材の耐久性向上を両立します。
