技術の概要
本技術は、シート状基材上のヒータ線と伝熱シート・輻射シートを組み合わせて熱を均一に拡げつつ放射量を高める設計思想です。基材・ヒータ線・第一伝熱シート・第二伝熱シート・第一輻射シートなどから構成され、均一な発熱と高効率放射を両立します。熱の拡散と放射を最適化することで、部材の耐熱要件と信頼性を向上します。
ユースケース
- 自動車の車室内の暖房部材としての設置
- 航空機・鉄道車両内の局所暖房パネル
- 家具・什器の暖房・快適性向上部材
- 工業機器の局所加熱・乾燥装置
- ショールーム・展示会場の暖房パネル・設置
伝熱シート(熱を広げる薄い金属シート)と第一輻射シート(耐炎化繊維の不織布等で構成)をヒータ素子の前後に挟むことで、ヒータ線の局所加熱を平面状に拡げ、基材全体の温度差を抑制します。断熱材を利用して熱の後方流出を抑制することで、輻射熱の放射量を安定的に高められます。第一伝熱シートと第二伝熱シートを組み合わせることで、ヒータ素子と輻射シート間の接着性と耐熱信頼性を高め、長寿命化を図ります。複数の厚み関係(Dc/ Tc/ Tf など)を組み合わせる実施形態があり、構造に応じて最適化します(新語の説明を必要とする場合、括弧内で意味を補足します)。
本技術は、ヒータ素子上の熱を第一伝熱シート30と第二伝熱シート40の異なる熱伝導率を利用して平面に広げ、輻射シート60へ効率的に伝える多層構造を特徴とします。第一伝熱シートは高い熱伝導率を有し、熱を前方の第一輻射シートへ拡散します。第二伝熱シートは低熱伝導率で、熱の偏在を緩和し第二伝熱シート後面温度を下げ、部材の耐熱限界を保持します。さらに、ヒータ線の周囲に隙間を形成して断熱効果を高め、接着面積の確保と剥離抑制を図ります。断熱材はグラスウール等で熱を後方へ逃がさず、第一輻射シートの端部を折り返してヒータ素子を抱え込む構造とすることで、接着力の低下を抑制します。輻射シートの放射率は0.6以上とされ、黒色系が好適です。実施形態群では、多様な組合せと配置を提示し、車室内・機器内の局所暖房・乾燥・加熱用途に適用可能です。
