故障ディスプレイ対応の表示制御と位置保持

本技術は、車両に複数のディスプレイがある場合、故障ディスプレイを検出したときに、表示内容の優先度に従って1つ以上の情報を健全なディスプレイへ表示する。表示内容選択部は、故障前に表示されていた内容の優先度を基に高いものを選ぶ。表示位置決定部は、故障ディスプレイ以外のディスプレイの表示位置を、故障前に同じ内容が表示されていた位置に対する変位が小さくなるように決定する。許容度は各表示内容ごとに設定され、低い許容度を持つ内容ほど配置の再現性を優先する。表示切替部は、決定された表示内容を決定位置に表示する。表示内容は、元の画像サイズ、縮小画像、代替画像を用いて選択・配置される場合があり、ディスプレイの表示領域面積や許容度を考慮して最適化する。故障ディスプレイが検出される前後で、表示位置の変動を抑え、重要情報を確実に伝える。さらに、故障ディスプレイが復旧した場合には、元の配置へ戻すことができる。運転席・助手席・電子サイドミラー・電子バックミラー・後部座席用ディスプレイなど、複数ディスプレイの実装例にも適用可能である。

本表示制御装置は、複数ディスプレイ群の中で故障ディスプレイを検出する検出部と、検出時に健全ディスプレイへ表示内容を再配置する機能を有する表示内容選択部、表示位置決定部、表示切替部を含む。表示内容選択部は、故障前に各ディスプレイへ表示されていた表示内容の優先度データを参照し、優先度が高いものを1つ以上候補として選択する。表示位置決定部は、候補の中で許容度aiが低い順に、故障ディスプレイ以外のディスプレイの表示位置を決定する。これにより、故障ディスプレイ検出前に表示されていた内容と同じ表示位置の変位を最小化する。表示内容は、元の面積を保つ画像、縮小画像、代替画像のいずれかを用い、各ディスプレイの表示領域の制約を満たすように配置を検討する。最終的には、決定された表示内容を決定位置へ表示する表示切替部が働く。故障ディスプレイが復旧した場合、表示内容を元の故障ディスプレイの位置へ戻すことも可能である。対象ディスプレイは、運転席前方の複数ディスプレイ、助手席前方、右左の電子サイドミラー、電子バックミラー、および後部座席用ディスプレイを含む。表示設計は、優先度・許容度・表示領域の制約を組み合わせ、実車レイアウトで実用的に動作するように構成されている。なお、式として評価関数Lを用いる場合、各表示内容iの位置を故障検出後に最適化することで、総合的な視認性と安定性を両立する設計方針を採用する。