技術の概要
本技術は、半田付け後の発熱部品を搭載した基板の裏面状態をケース越しに視認できる電動圧縮機を提供します。カバーとケースの構造により、基板と発熱部品の高さ関係を活用して裏面の観察窓を確保します。視認性向上により、異物混入や半田付け不良の早期検出が可能です。
ユースケース
- 自動車等の空調システムに用いる電動圧縮機の制御基板検査を支援する用途
- 半田付け後の発熱部品の裏面状態を視認して品質を評価する用途
- 発熱部品の実装時の干渉や高さ制限を評価する用途
- ケースとカバーの封止性・剛性を検証する用途
- 生産ラインでの異物混入検出・原因特定を容易にする用途
本技術は、基板30とケース12、そしてケース12に取り付けられた基板30を覆うように固定されるカバー11を組み合わせた電動圧縮機の構成です。カバーは天板である天壁111と、それに対してケース側へ立ち上がる第1側壁112を有し、ケース12には隔壁121と第2側壁122が設けられます。天壁から第1側壁の先端までの長さを長く、隔壁から第2側壁の先端までの長さを短くすることで、基板の裏面側が視認できる隙間を作ります。この視認窓は、半田付け後の発熱部品における基板裏面の状態をケース内部から観察できる効果を生み、異物混入や半田付けの不具合を現場で早期に検出します。封止部材は第1側壁と第2側壁の間に挟まれて気密性を高め、固定部によるケースの結合を強化します。
本技術は、基板30をケース12の底部の隔壁121上に固定し、カバー11の天壁111と第1側壁112を組み合わせて制御室Kを形成する電動圧縮機の構成を前提とします。天壁と第1側壁の長さ関係により、第1側壁の先端と基板の間に視認窓を確保します。ケース側には第2側壁と連結穴、封止部材21を介してカバーを締結し、気密性を保ちつつ内部を観察可能にします。発熱部品31は基板30の隔壁121側に実装され、背が高い部品にも干渉しないよう発熱部品収容部124を設ける形態も示されます。発熱部品は半田付け後にリード部が基板30に接続され、視認はケースの隙間から裏面を観察して行います。モータ室側へ突出する設計や、冷媒流を利用した発熱部品の冷却機構により温度上昇を抑制します。これにより製造時の検査性と保守性が向上し、剛性とシール性を両立させるための固定部の配置も工夫されています。
