技術の概要
排水中の重金属を除去する方法を、温度に応じてキレート剤の最適添加量を決定する発想で説明します。目標除去率を定義し、近似直線から添加量を算出することで、コストと処理効率の両立を狙います。
ユースケース
- 火力発電所の排ガス脱硫排水の処理
- 水産加工排水の重金属除去
- 非鉄金属製錬排水の重金属除去
- 排水処理コスト削減のための最適添加量算出
- リアルタイム制御による自動排水処理システム
本技術は、重金属を含む排水に対して、適切な量のキレート剤を添加する方法です。排水の温度に応じて最適な添加量を近似直線で表し、温度が分かればその直線から追加量を決められます。目標除去率は排水中のカドミウム濃度を用いた式で決まり、添加量がこの目標を超えたときの量を最適添加量とします。コストを抑えるため、過剰添加を避け、処理効率を高める仕組みです。処理工程には、前処理、キレート剤の添加、必要に応じて無機・高分子凝集剤、膜ろ過などが含まれ、温度範囲やpHの条件も示されています。
本発明は、重金属含有排水の処理において、温度と排水中の重金属濃度を用いてキレート剤の必要添加量を決定する方法である。目標除去率は式で定義し、各温度条件で実験的に最適添加量を求め、それを温度と最適添加量の関係を表す近似直線で表す。傾きが0.5以下などの基準を設定することで、温度変化に伴う添加量の変動幅を抑え、コストと安定性を両立する。添加後には重金属分離工程(膜ろ過、限外ろ過、凝集沈殿、遠心など)へ移行し、キレート剤の過剰除去と浄化水の品質確保を図る。さらに、一次処理の有無、pH調整、凝集剤の併用、リアルタイム水温・金属濃度の測定と制御を組み合わせ、現場の処理装置に適用可能な自動制御式を提案する。
