技術の概要
導光体内部の複数ホログラム素子で画像光を作り出す表示装置です。第1と第2の素子のセル配置を異ならせてノイズの重なりを抑え、最終像を透光部材に投影します。車両のヘッドアップディスプレイなど視認性が重要な場面で有効です。
ユースケース
- 車両のヘッドアップディスプレイ
- 自動車前方映像の表示装置
- AR/透過型表示システム
- 産業用現場表示装置
- 航空・鉄道の案内表示
本表示装置は、導光体(光を伝える透明な板)と呼ばれる部材の内部を光が伝搬し、複数のホログラム素子(光を回折して像を作る部品)で画像光をつくります。第1素子は導光体内を伝搬する光を回折して第1画像光を作り出し、第2素子はその第1画像光を回折して第2画像光を作り、第3素子が第2画像光を回折して最終の第3画像光を出射します。このとき、第1セル41aと第2セル42aの配置を互いに異なるものにし、さらに第2セルの大きさを第1セルより大きくするなどして、境界部の位相差と強度揺らぎによるノイズが重なるのを避けます。セルは多角形で組み合わせ、形状・大きさを変えることができます。導光体内の光路設計により、透光部材に投影される像のコントラストを向上させ、視認性を高めるのがねらいです。
本技術の要旨は、導光体(光を伝える透明な板)内に第1~第3のホログラム素子(光を回折して像を作る部品)を内包し、それぞれのセル配置をずらして出射光を3段階で整形する点です。導光体内を伝搬する画像光は、第1素子のセル群41aで第1画像光へ回折され、第2素子のセル群42aで第2画像光へ回折され、第3素子のセル群43aで最終の第3画像光を出射します。第1セルと第2セルの配置を異ならせ、第2セルの大きさを第1セルより大きくすることで、隣接境界の位相段差・強度揺らぎによるノイズが重なるのを抑制します。セルは多角形形式で組み合わせ、形状・大きさの異なるセルを混在させる設計も可能です。露光条件を最適化することで、製造時間の影響を低減します。用途は車両のHUDをはじめ、AR透過表示や産業用表示など多岐に及びます。
