技術の概要
本技術は、被充電物の距離に応じて磁界共振と電磁誘導の2方式を使い分けるワイヤレス充電装置の設計と制御手法を提供する。コイル間距離を表すパラメータを取得し、距離閾値に応じて誘導結合と共振結合を切り替える。さらに、結合係数や位置合わせ機構、規格対応を統合する。
ユースケース
- スマートフォンやタブレットの非接触充電
- 車載・デスクトップなどのワイヤレス充電パッド
- 複数端末の同時充電と最適化
- Qi2/MPP/EPP等の規格対応
- 干渉を抑制した高効率な位置合わせ充電
本技術は、ワイヤレスで電力を伝える充電装置と充電方法の設計です。筐体には送電用第1コイルと、筐体内に収容される第2コイルが配置され、コントローラが両コイルの距離を示すパラメータを取得します。距離が距離閾値を下回る場合は第1コイルと第2コイルを誘導結合させて電力を伝え、距離が閾値を超える場合には共振結合へ切替え、磁界共振で電力を送ります。コントローラは結合係数kと距離閾値・係数閾値を用いて切替を決定します。受電側の受電コイルのインダクタンスとキャパシタンスから共振周波数を求め、共振モードではfrで送電します。粗調整として複数検知コイルで受電位置を特定し、送電コイルをXY平面上で移動させ中心合わせを行います。次に、共振周波数の微調整として容量変更と位置微調整を組み合わせ、電力効率を最大化します。Qi2などの規格にも対応を検討します。
本技術の充電装置は、筐体内に送電コイルと受電コイルを配置し、距離Pdを示すパラメータを取得して電力伝送方式を切替える。Pdが距離閾値以下なら誘導結合を用い、Pdが閾値を超えれば磁界共振方式を用いる。結合係数kはインダクタ間の結合度を示す指標として推定され、係数閾値を超えると誘導、下回ると共振へ切替える。共振周波数frは受電コイルのインダクタンスL103とコンデンサC104の設計値または測定値から算出され、共振モード時にはfrを用いて送信する。送信側は粗調整として複数の検知コイルで受電位置を検出し、XY平面上で送電コイルを移動して中心を合わせる。この後、微調整として共振用コンデンサの容量を変更する第3の調整と、コイル相対位置の微調整を組み合わせ、送電効率のピーク位置に近づける。動作はネゴシエーションを介して電力契約を取り交わす流れを含み、MPP/EP/MP一体型規格対応やQi2規格との整合も視野に入れる。複数端末同時充電時には干渉を抑制するため、コイル配置と制御を適切に分離して安定運用を図る。実装は、位置検出・通信・駆動機構を分離した設計とし、充電器側と端末側の双方が共通のパラメータを用いることで、広い距離範囲で高効率の充電を実現する。
