技術の概要
本技術は、電力変換装置の部品間を嵌合部(はまり合わせる部品)で結ぶ手法です。オス型嵌合部材とメス型嵌合部材を用い、差込部を挟持部がつかむことで、部品間の許容差を広げつつ接触面積を増やして接続の信頼性を高めます。複数基板の積層構造を小型化する効果も狙います。
ユースケース
- 基板間の電気的接続の信頼性向上
- 複数基板の積層構造を小型化
- 電子部品と基板間の接続自由度向上
- 高電流対応の低抵抗接触の実現
- 組立性の向上と検査工程の効率化
本技術は、電力変換装置の部品間を、嵌合部(はまり合わせる部品)と呼ばれる接続部材で結ぶ(はまる)仕組みです。オス型嵌合部材とメス型嵌合部材を用い、差込部をメス型嵌合部材の挟持部が挟み込んで結合します。第1挟持部と第2挟持部の先端には間隙(すきま)があり、4つの弾性部が差込部の接触力に応じて独立に変形します。これにより、嵌合部の幾何学的許容範囲を拡大し、接触面積を増やして接触抵抗を低減できます。基板間の積層高さのばらつきにも追従し、組立性と小型化を両立します。留意点として、接触抵抗を抑えるための表面処理や検査が重要です(接触抵抗: 1[mΩ]以下を目指す設計指針)。
本発明は、複数対の嵌合部材(オス型嵌合部材Bmとメス型嵌合部材Bf)を用い、基板間を略垂直または任意角度で結合する部品間接続構造を提供する。差込部11の先端は4つの弾性部21a/21b/22a/22bにより接触部位が独立して変形可能であり、相対的な回転位置ずれを吸収する。これにより、接触抵抗を低減し、同一長さの嵌合部材でも接触面積を大きくとれる。被覆部材3 2や絶縁部3 1などの絶縁構造を外周に施すことで、絶縁性と導電部の露出部の安定性を両立する。図面には、図1〜図8の組み合わせ例が示され、基板間の距離や角度のばらつきに対しても嵌合部が確実に機能するよう設計されている。検査は、嵌合部を介した抵抗値測定により実施され、絶縁状態なら不良と判定される。これらの設計により、複数基板の積層構造を拡張可能にしつつ、小型化と高信頼性を両立できる。車載充電器などの高電流用途にも適用が見込まれる。
