技術の概要
車載用カメラのレンズユニットと筐体をリング部材で挟み込み、レーザ溶着により一体化する技術です。溶着リブと突起部の設計でバリの発生を抑え、組立精度と撮像性能を向上させます。筐体内部には金属シールドを組み合わせ、EMI対策も施します。
ユースケース
- 車載カメラの撮像品質と信頼性の向上
- EMI/EMC対策による外部ノイズ耐性向上
- 高精度な組立性と再現性の確保による製造コスト削減
- 薄型・軽量化を実現する樹脂筐体と金属シールドの組合せ
- 自動運転・高度運転支援システムの安全性向上
本技術は、車載用カメラのレンズユニットと筐体をリング部材で挟み込み、レーザ溶着により一体化する方式です。フランジ部の第2面とリング部材の第1溶着リブ、筐体端面の第2溶着リブを適切に設計することにより、溶着時のバリが端面まで到達するのを抑制します。これにより、溶着部の密着性が確保され、部品間の隙間が減り、組み立ての再現性が向上します。さらに、透過光を低減する樹脂の選択と、筐体内部の遮蔽構造で、撮像素子のノイズ感度が改善します。突起部で位置決めを行い、部材のずれを防止します。第1・第2樹脂の光吸収性を組み合わせ、内部光の透過を抑制します。
発明の要点は、リング部材を介したレーザ溶着でレンズユニットと筐体を一体化する際、溶着リブの配置と形状を最適化してバリの流出を抑制する点にあります。第1溶着リブは第2面の内側寄りに配置し、突起部と重なる位置でのバリ流出を抑制します。一方、第2溶着リブは端面の周囲に配置し、溶着後にバリが端面へ到達するのを制御します。これらを適切に設計することで、リング部材と筐体の溶着が安定します。さらに筐体を樹脂とし内部に金属シールドを2枚組み合わせ、閉空間を形成して電磁ノイズを抑制します。第2シールドは回路基板の上面に実装された撮像素子を孔で受け、四辺それぞれに接点を介して第1シールドと電気的接続します。孔周囲には複数の孔を設け、複数の支持柱でレンズユニットを支持します。熱伝導部材は回路基板と第1シールドの間に配置し、熱を筐体外へ逃がします。回路基板は矩形形状を基本とし、シールドは第2形状を有して底面部と接続部で剛性を確保します。これにより、EMI/EMC要件を満たしつつ、軽量・小型化・低コスト化を実現します。用途は自動運転支援や周辺監視システムの信頼性向上にも寄与します。
