直進時領域特徴量で運転注意を推定する運転支援装置

技術の概要

本技術は、前方映像の特定領域の特徴量を用いて、走行方向が所定方向のときの運転者の注意状態を推定する。推定結果に応じて出力を調整し、直進走行をサポートする仕組みである。健常者を含む運転者の注意喚起精度の向上を目指す。

ユースケース

  • 運転支援システムの出力制御による注意喚起の強化
  • 直進時の前方監視領域の特徴量を用いた高精度な注意推定
  • 運転熟練度に応じた刺激強度の動的調整
  • 車載UX設計・評価のための統合プラットフォーム
  • 安全性評価・教育用途のデータ収集と解析

本技術は、前方映像から車両の走行方向が所定方向である場合に、前方視野の特定領域の特徴量を算出します。特徴量には、予測誤差やフレーム間誤差などの変化量を用い、時系列で蓄積した値がしきい値以上となる頻度を評価します。頻度が所定以上の領域を運転者の注意が向きやすい領域と判断し、不適正度合いとして推定します。推定結果に応じ、表示・光・音などの出力を強弱で切替え、注意喚起を行います。運転熟練度情報も併せて考慮し、熟練度が低い場合は刺激を強めに、熟練度が高い場合は刺激を抑える設計です。

本発明は、走行方向判定部、特徴量計算部、注意状態推定部、運転熟練度判定部、および出力制御部を有する運転支援装置を中心とする。入力は車両周辺の撮影画像と車両内部センサ情報で、走行方向が所定方向と判定された場合に、前方映像の直進方向に対応する領域の特徴量を、領域の位置・大きさ・範囲情報とともに記憶部から取得する。特徴量には、予測誤差、フレーム間誤差、及びそれらの分散・微分などの変化量を用い、これらの指標がしきい値以上となる頻度を時系列で計測する。領域は消失点周辺以外で、直進走行時に視線が自然と向かいやすい領域として定義され、領域ごとに所定方向の撮影画像での頻度情報が対応づけられている。注意状態推定部は、各領域の特徴量の大きさ・差異・時系列の継続性を評価し、不適正度合いを数値化する。運転熟練度判定部は、運転者の操作結果・内界センサ・学習モデルなどから熟練度を推定し、出力制御部は不適正度合いと熟練度に応じた出力態様を決定する。出力は、センターディスプレイ・ピラーディスプレイ・ミラーディスプレイ・HUD・光らせ方・音声など、複数の出力部へ拡張可能で、刺激の強さ・頻度を動的に調整する。従来技術の高サリエンシー領域に依存する推定と異なり、直進等の所定方向での領域を用いるため、推定精度の向上と健常者を含む運転者の安定した注意推定が期待できる。実装上はソフトウェアモジュールとして、走行方向判定部・特徴量計算部・注意状態推定部・運転熟練度判定部・出力制御部を組み合わせ、記憶部に領域情報を蓄積する構成が想定される。上記構成により、直進時の注意散漫を早期に検知し、運転支援を適切に強化・抑制することが可能となる。

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