技術の概要
本技術は、車両ステアリング前方のパドルレバーを回転軸で操作することで、複数の機能を切替できるパドルスイッチです。左右に配置して信号出力をECUへ配信することで、方向指示・ヘッドライト・ワイパーなどを一体管理します。
ユースケース
- 車両の方向指示・ヘッドライト・ワイパー等の操作を統合したマルチファンクション入力デバイス
- ステアリングコラム周辺の操作性と運転者の視線移動削減に寄与
- 左右一対のパドルレバーで対面操作を可能とし、緊急時の反応性を向上
- コンビネーションスイッチとしての組込み適性を高める
- 実車での検証・評価用デバイスとしての活用
本技術のパドルスイッチは、車両のステアリング前方に配置されるパドルレバーと、上下方向へ延びる操作部、およびそれを回転させる回転軸を特徴とします。操作部には、第1操作部分と第2操作部分があり、回転軸を軸として上下に展開します。第1操作部分をステアリング側へ近づけると信号出力が変化し、第2操作部分を近づけると別の信号が出ます。ホームポジションへ戻る復帰機構も備え、運転者が操作を離すと元の位置に戻ります。節度体(操作感を生む部材)、節度ピン(荷重の伝達源)、節度バネ(復帰力)を組み合わせることで、操作感を段階的に得られる設計としています。
本技術は、パドルスイッチ10の機構を統合したマルチファンクション入力デバイスとして、回転軸を中心に操作部を前後に配置し、信号系を回路基板60に接続してECUに出力する点を特徴とします。回路構成は、回転板50と固定接点の組み合わせにより、操作部の回転角度に応じた複数の出力を実現します。第1/第2操作部分の回転は、節度体31や節度山32、節度ピン38、節度バネ39と組み合わせて、段部を乗り越える感触を運転者に与えます。復帰部30の節度機構により、操作解除時にはホームポジションへ自動復帰します。図面上は本体は筐体80とカバー70で覆われ、回路基板60は配線の可動接点を用いて回転板50と連携します。二つのパドルレバーを左右に配置することで、左側ではワイパ/ディマス/ヘッドライト、右側では方向指示とライト系機能を割り当てることが可能です。推奨される実装としては、ECUと直接的に接続する回路基板の信号マッピングを統一し、各機能の優先度・モード切替をソフトウェア側で管理する設計が望ましいです。量産性を考慮して、節度体をパドルレバーと一体成形または別体とする設計選択肢を設け、保持部40や回転板50、回路基板60の組付け手順を標準化します。
