技術の概要
コイルケースの端子孔部周囲にスリットを設ける設計で、熱変形時の圧力を分散します。これにより半田付け部のクラックを抑制し、スイッチング電源装置の信頼性と耐久性を向上させます。設計上は間隔部と支持部の形状を最適化します。
ユースケース
- スイッチング電源装置の信頼性向上
- コイル端子の半田クラック抑制による長寿命化
- 高温環境での耐久性向上
- 自動車・産業機器向け電源モジュールの信頼性強化
- 製造工程での不良品削減と検査の簡素化
本技術は、コイルを収容するコイルケースにおいて、コイルの端子が半田付けされる孔を周囲にスリットで囲んだ端子孔部を設けるものです(端子孔部=コイルの端子が入る穴)。スリットはケースの隙間を作り、熱膨張・収縮で変形しても端子と基板の半田付け部にかかる圧力を分散します。平面端子孔部と縁端子孔部の周囲にも同様の構造を持ち、支持部は挿入部を囲む形で細く設計されているため、力の伝わり方を緩和します。さらに、上面と基板の間に間隔部を設け、熱変形時の圧力を吸収します。これらの効果により半田クラックが抑制され、電源装置の信頼性が高まります。
本発明は、コイルケースとスイッチング電源装置に適用されます。コイルの端子は基板へ半田付けされるため、ケースの熱膨張・収縮により端子孔部周囲の応力が発生します。この応力を低減するため、端子孔部の周囲に略U字形のスリットを設け、挿入部を支持する部位を細く長くとる構造としました。これによりX軸・Y軸・Z軸方向の力の伝播が緩和され、半田付け部の微小亀裂(半田クラック)の発生を抑制します。間隔部により基板とケースの間に隙間を確保し、熱変動時の荷重を吸収します。平面端子孔部・縁端子孔部の周囲のスリット形状や支持部の形状は、実施形態ごとに最適化され、挿入部は半田付け後も微量移動可能として、熱応力の緩和を図ります。材料には熱膨張係数の一致と加工公差管理を重視し、製造性と信頼性の両立を目指します。
