未知周期信号を分離する音源分離装置

技術の概要

車室内や周囲の音響環境で発生する周波数が未知の周期信号を、音響信号から高精度に分離します。マイクで収音した信号を遅延・適応フィルタで処理し、周期成分を抽出することでサイレンや警報音の検出・通知・方向推定を支援します。

ユースケース

  • 未知周期信号の検知・分離とサイレン検知の車載応用
  • 警察車両・救急車东のサイレン検知と車内通知機能
  • 音源方向検出と組み合わせた周囲音の方向推定サポート
  • 車載音響系のノイズ抑制と周期信号抽出精度向上の基盤
  • 複数実施形態を統合した車載ソリューション設計と評価

本技術は、周囲の音響信号から周波数が未知の周期信号を高精度に分離する装置です。マイクで収音した信号を遅延させた第1遅延信号と、第1適応フィルタを用いて周期信号を抽出します。抽出後は第1減算部で非周期成分を除去し、第1フィルタ係数を更新します。更新量は周期信号の有無に応じて変化させ、応答性と抽出精度のバランスを取ります。必要に応じて第2遅延部や帯域分割部などの拡張も適用されます。

本技術の要点は、周囲信号から未知周波数の周期信号を分離する点にあります。入力信号を遅延して得られる第1遅延信号を、第1適応フィルタ(FIR/IIRのいずれか、係数はNLMS等の適応アルゴリズムで更新)により処理し、周期成分を出力します。第1減算部は入力信号から周期成分を減算して非周期信号を得、周期信号のパワーを最小化するよう第1フィルタ係数を更新します。更新量制御部は、音響信号に周期信号が含まれるかを判定し、含まれる場合は更新量を大きく、含まれない場合は小さく設定します。これにより、周期信号の急激な変化にも追従しつつ、ノイズ成分の過適合を抑制できます。第2遅延部・第2適応フィルタ・第2減算部を組み合わせた第2形態や、帯域分割部・閾値判定を用いた多帯域判定、複数実施形態による更新量の適応性向上が提案され、車載環境での警報音検知・通知・方向検出の信頼性を高めます。さらに、通知部・音源検出部・音源方向検出部と連携することで、サイレン検知だけでなく、検出結果の表示・音声ガイダンス・視覚的通知も可能です。なお、各実施形態は、ノイズ条件や処理負荷に応じた設計選択を可能にします。

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