車載用カメラの高信頼性EMCシールド構造

技術の概要

本解説は、車載用カメラのノイズ対策と放熱を両立する構造を俯瞰する。筐体内には金属製シールドを設置し、樹脂部材で隙間を塞ぐことで EMI の遮蔽を強化する。樹脂部材は磁性材を含み、ノイズを吸収・発熱も効率化する点が特徴である。

ユースケース

  • 車載用カメラのEMC/ノイズ対策
  • 車載カメラの放熱設計と信頼性向上
  • 筐体とシールドの統合設計による小型化・コスト低減
  • 高速通信時の不要輻射低減(5G等)
  • 自動運転・安全支援システム向け高信頼カメラの実装

本技術は、車載用カメラのノイズ対策と放熱を両立させる構成です。レンズユニット、回路基板、撮像素子を筐体に収容し、筐体の内部空間を囲う金属製シールドを配置します。回路基板とシールドの間には、磁性材を含む樹脂部材を孔の周囲に渡って配置し、回路基板の第2面とシールドの第1側面部・第2側面部・第3側面部・第4側面部・第1底面部の接触面を介して隙間を塞ぎます。樹脂部材は熱伝導性を持ち、ノイズを遮断・吸収します。コネクタ経由の電源・信号経路にも同様の対策を適用します。

本技術の要点は、EMC性能と放熱性能を同時に高める車載用カメラの構造設計にあります。筐体はレンズユニット、回路基板、撮像素子を収容し、内部を囲む金属製シールドを設けています。回路基板は第1形状の四角形で、シールドは第1底面部と第2底面部を階段状に形成し、孔の中心部を含む第3形状を設けます。孔の周囲には磁性材を含む樹脂部材を配置し、回路基板の第2面とシールドの第1側面部・第2・第3・第4側面部・第1底面部に接触させて隙間を塞ぎます。樹脂部材は熱伝導性を持ち、磁性材によりノイズを遮断・吸収します。コネクタは筐体の底面を貫通しており、電源供給と信号伝送を担保します。樹脂部材はゲル状で、筐体内の角部や隙間部を覆うように変形し、寄生容量による寄生ノイズの発生を抑制します。従来よりノイズの放射が低減され、高速通信(例えば5G)時の不要輻射対策にも寄与します。設計上、樹脂部材は筐体の各面と端面に接触するため、シールドと放熱の二重機能を実現します。磁性材はフェライト等を想定し、低コストで入手可能です。

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