技術の概要
本技術は、マイクロホンモジュールと反転アンプを結ぶ入力部にアッテネータを配置し、ADコンバータの特性を改善する音声伝送装置・システムです。従来より入力レベルを適切に調整でき、ノイズの影響を抑えつつ高品質な信号を抽出します。車載環境などの騒音条件にも適用可能です。
ユースケース
- 車載音声伝送システムでのノイズ抑制と信号品質向上
- ハンズフリー通話の音声品質改善
- 音声認識入力品質の向上
- 車室ノイズ対策とデジタル処理の安定化
- 設計検証・評価用の実験・研究用途
本技術の音声伝送装置は、マイクロホンモジュールの出力を反転アンプの入力ノードへ接続する第2端子と、マイクに直接接続される第1端子の間に、アッテネータ(減衰器)を配置します。アッテネータは第1抵抗RSと第2抵抗RMで構成され、RSとRMの組み合わせにより入力レベルを適切に減衰します。これにより、AD変換器の入力が過大にならず、熱雑音の影響を低減できます。さらに、ゲインレジスタとノイズ対策回路の組み合わせにより、デジタル処理側のノイズ抑制が安定します。設計上は、抵抗値をAD入力インピーダンスに合わせて調整します。
本技術の要点は、マイクロホンモジュール出力を反転アンプの入力ノードに接続する前に、アッテネータを介して適切に減衰させ、ADコンバータチップの入力特性を改善する点です。アッテネータは第1抵抗RSと第2抵抗RMで構成され、RSとRMの組み合わせとRg(AD入力インピーダンス)との関係を利用して、入力レベルを制御し、熱雑音と雑音フロアを低下させます。RSがRMに比例する飽和領域と、RMが小さい場合の線形領域のノイズ特性を、図2・図13のデータで比較します。反転アンプはゲインレジスタ301、フィードバックレジスタ302、ノンインバーティングバイアスマッチングレジスタ304を含み、仮想接地を介した入力インピーダンス変換と負帰還により、総合ノイズを抑制します。抵抗Rf Rt R3 R4 の熱雑音寄与と、オペアンプの入力換算雑音、電源雑音を合わせて評価することで、図4〜図12の各特性が示されます。RmをRgより大きく設定する設計は、AD変換器への入力レベルを安定させ、従来比でS/N比を改善します。
