水平広角と垂直狭指向を実現する超音波センサ装置

技術の概要

本技術は、水平方向に広く垂直方向に狭い指向性を実現する超音波センサ装置の設計を示します。車両搭載を前提に、内底面に発信要素を配置するケース構造と楕円形の突出部で指向性を制御します。

ユースケース

  • 車両後方の障害物検出
  • 車両周囲の障害物検知システムの構成要素
  • 駐車支援システム向けセンサとしての活用
  • 地面・天井からの反射を抑制する用途
  • 長距離かつ水平面の検出精度向上が求められる車載センサ

本技術は、水平方向に広く、垂直方向に狭い指向性をもつ超音波センサ装置を車載で実現する。ケースは内壁沿いの薄壁部と、それに対向する厚壁部で構成され、突出部は楕円形を含む。X軸方向の長さをDX、Y軸方向の長さをDY、薄壁部から厚壁部までの開口長をBと定義する。DXはBの20.5%以上、DYは34.1%以上とすることで水平拡張と垂直抑制を両立し、地面や天井からの反射を抑える。薄壁部の厚みは±10%程度のばらつきを許容する。

本発明の要点は、有底筒状のケース内部で、薄壁部と厚壁部を対向させ、厚壁部が突出部を形成し、その外形に楕円を組み込む点にある。ケースの内部空間を薄壁部の開口長Bで区切り、突出部の楕円のX方向直径をDX、Y方向直径をDYとする。DXはBの0.205以上、DYは0.341以上と設定することで水平方向の指向性を広く、垂直方向の指向性を極めて狭くする。これにより、車両後方の障害物検出に有利となる。さらに、DXとDYの組み合わせは、DY−0.136B < (0.5DX+0.273B) < DY+0.136B という関係を満たす範囲が集中する傾向が観測され、垂直指向性を抑えつつ水平指向性を向上させる設計指針となる。薄壁部の厚みのばらつきは±10%程度に抑え、楕円の接線が厚壁内部へ向かうように設計する。圧電素子はケースの内底面に固定され、充填材により封止される。実車搭載時には、地面・天井からの反射を抑えつつ、車両後方の検出性能を高めることが期待される。

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