技術の概要
本解説は、ホログラム素子を内蔵した導光板と光出射部を組み合わせた表示装置の概要を紹介します。光源と複数のレンズで光の輪郭を整え、矩形状の光を出射して効率を高めます。車両のダッシュボード上に設置し、フロントガラス前方へ虚像を表示します。
ユースケース
- 自動車のヘッドアップディスプレイ(HUD)表示
- 車載情報の虚像表示
- 夜間・直射日光下での視認性向上用途
- 案内表示・警告表示のデジタル化
- 教育・展示用大画面表示
この表示装置は、ホログラム素子を有する導光板と、導光板へ光を出射する光出射部から構成されます。光出射部は光源と、光源が出した光の輪郭を整えることができる複数の第1レンズを備え、第1レンズの輪郭はホログラム素子の形状と同様です。これにより、光源の光をできるかぎり活用し、導光板を通じてフロントガラス前方に矩形状の画像光を出射します。さらに、第1レンズを一体化した第1光学体と、光の輪郭を整える第2レンズを備える第2光学体が、出射光を矩形状に整え、スペックル等の乱れを抑制します。複数の波長、すなわち青・緑・赤の光源を用い、色ごとに適切な配置・反射体で結びつけ、均一な輝度を実現します。これらの構成により、表示装置は光の利用効率を高め、ムラやロスを抑えつつ、車両のダッシュボードに設置され、フロントウィンドウ前方へ虚像を投影します。
本技術の要点は、ホログラム素子を内包する導光板に、光源群と連携する光学系を組み合わせ、入射光の輪郭をホログラム素子の形状と一致させて出射光を矩形状に整える点にある。第1光学体は複数の第1レンズを一体化した矩形状の構成で、光源が発した光の輪郭を均一化してコリメートレンズへ送る。第2光学体はコリメート後の光をさらに整え、矩形の全体輪郭をホログラム素子の形状と一致させて偏光ビームスプリタへ入射させる。光源は青・緑・赤の複数波長を用い、各波長の出射位置・方向を最適化して色ごとに輪郭を揃える。出射光は出射光学素子でさらに引き伸ばされ、画像表示素子を介してホログラム素子へ反射させる。これにより、導光板内での光利用効率を高め、輝度ムラ・スペックルを抑制し、低損失の高輝度表示を実現する。さらに、矩形輪郭の一致により、異形状の入射光学素子でも安定して光を入射させられ、車両のダッシュボードに適したHUD用途や車載ディスプレイとしての信頼性が向上する。
