小型化と迷光抑制を実現するヘッドアップディスプレイ

技術の概要

車載用ヘッドアップディスプレイを小型化しつつ外光による眩惑を抑制する技術です。原画像を投影画像へ変換する投影光学系と、虚像を観察者へ投影する系で構成され、リレー光学系をテレフォト配置で全長を短縮します。外光対策としてレンズやミラーを傾斜・楔形・自由曲面形状で形成し、像の歪みを抑える工夫を複数の実施形態で示します。

ユースケース

  • 車載向けHUDの小型化と外光抑制
  • 自動車の先進運転支援システム向け表示の統合
  • 外光環境での表示安定化を目的とした光学系設計
  • 製造コスト削減を狙った一体型レンズ構成
  • 高画質投影を要求する教育・デモ用デバイスのHUD応用

ヘッドアップディスプレイは、車両のガラスなどの透過性の反射部材に画像を投影して観察者に虚像を視認させる装置です。本技術では、表示デバイスから出た光を透過・反射させる投影光学系が原画像を投影画像へ変換し、観察者の視点へ虚像を結ぶ仕組みを採用します。投影光学系は、第1レンズ(正のパワー)を前方に配置し、第2ミラー、第3ミラーを用いて中間像を形成します。中間像は空中で結像され、表示デバイスの小型化を実現します。第2ミラーの負のパワーと第1ミラーの正のパワーを組み合わせ、テレフォト配置とすることで全長を短縮します。外光対策として、各素子を基準光線に対して傾斜させ、楔形・自由曲面を採用して迷光を抑制します。複数の実施形態では、第3レンズを一体化した3レンズ構成や、第5〜第6レンズの追加による色収差補正、さらには第7レンズの追加など、部品点数の削減と画質向上を両立させています。これにより、車載環境での小型化と高画質を両立した HUD の実装が可能になります。

本技術は、透過性の反射部材上に表示画像を投影して虚像を視認させるヘッドアップディスプレイの設計を対象とします。表示デバイスから投影光学系へ至る光路において、第1レンズ(正のパワー)を投射光学系の最前部に配置し、第2ミラー(負のパワー)と第3ミラーを介して中間像を拡大投影します。中間像は空中像として形成され、表示デバイスの画素数に依らず虚像を大きく観察者へ届けることが可能となります。リレー光学系はテレフォト配置とされ、第1レンズ部と第2ミラーで互いのパワーを高め合い、全長を短縮します。外光迷光対策として、基準光線に対して第2レンズ部、第1レンズ部を傾斜・楔形化し、2次元的に光路長を均一化します。実施形態1では、第2レンズ121と第1レンズ123を二つの素子として独立配置する構成、実施形態2では一体化した第3レンズ126を採用し、部品点数と製造コストを低減します。実施形態3〜6では、第4レンズ127、第6レンズ129、第7レンズ150などの追加要素を用い、光学系の収差補正と画質向上を図りつつ、さらなる小型化を追求します。第5・第6実施形態では、より後方に配置するレンズを活用して迷光抑制と像安定性を高め、楔形・自由曲面を活用した光学素子の配置により光路長の均一化を実現します。全体として、表示デバイスの小型化・部品点数削減と、車載環境下での高画質・安定性を両立させる設計思想が核となっています。

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