断面を多部に分ける振動板とダストキャップ接続

技術の概要

振動板の周囲を囲むネック部と、断面形状が異なる複数の部分で共振を分散させ、ピークディップを抑える設計です。ネック部はダストキャップなどの部材取り付けを容易にします。

ユースケース

  • 家庭用スピーカー装置への適用
  • 車載オーディオの高音質化
  • ミニコンポやポータブルオーディオ機器での音質向上
  • 公共案内・案内放送用音響機器の音圧特性改善
  • 高信頼性が求められる産業機器の音響伝達部品

振動板は、振動方向に沿う基準軸を囲むネック部と、その外側に周方向に並ぶ第一部分・第二部分・第三部分を備える。第一部分の断面は第一曲率半径の円弧、第二部分は異なる第二曲率半径の円弧、第三部分は楕円の一部である。ネック部は基準軸を含む面の断面形状が同一の曲線となり、ダストキャップの取り付け部を近接させる。これにより中心部の共振が分散され、周波数特性のピークディップが抑制される。外周縁部の厚さやエッジの接合部は、断面形状の違いを吸収し、剛性と密着性を両立する。素材は抄紙系繊維や射出成形樹脂など多様で、実装形態はスピーカーやマイクなど電気音響変換器全般に適用できる。

本技術は、振動板の中央部で生じる共振を、周方向に異なる断面形状を配置することで分散させ、ピークディップを抑制する構造設計である。ネック部は基準軸を囲む断面がいずれの面でも同一曲線となる回転体として形成され、ダストキャップなどの取り付け部を近接させつつ、部品間干渉を回避する。第一部分は第一曲率半径の円弧、第二部分は第二曲率半径の円弧、第三部分は楕円の一部という三つの断面形状を組み合わせ、接続部で滑らかに連結する。ネック部の曲率は小さく、20mm程度以下に設定することで、ダストキャップとボイスコイルの結合部を近接させ、組み立て性を高める。エッジと外周縁部の形状は円錐台形状とし、厚みの差で各部分の断面形状の違いを吸収するとともに、剛性と接着強度を確保する。材料は紙系繊維、パルプを抄紙する方法、射出成形樹脂、シート・フィルムのプレス成形など多様で、用途は家庭用スピーカー、車載オーディオ、ミニコンポ、産業機器など幅広く適用可能である。これにより、中高域の音圧周波数特性が平坦化され、高忠実度の音響再現と高い再現性が得られる。産業設計上は、ダストキャップの取り付け性・信頼性向上と量産適性を両立させる点が大きな利点となる。

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