シート空調装置の風量自動制御で低コスト化

技術の概要

シート内に送風機と複数の通風路を配置し、風量を受動的に制御する技術です。第1吐出口と第2吐出口の風量比を自動調整して局所的な風を提供しつつ、第3吐出口で背中側にも風を拡散します。アクチュエータ式弁を減らし、部品点数と重量を抑制します。

ユースケース

  • 自動車のシート空調による局所温感管理
  • 頭部/首元へ向けた快適風の個別調整
  • 部品点数削減と重量・コストの低減
  • 熱交換器併用による温度制御の柔軟性向上
  • 車室センサ・ECU連携による自動運用と省エネ化

本技術は、シートに送風機と第1吐出口・第2吐出口を備え、第1通風路・第2通風路を流れる空気を風量制御機構で受動的に制御するシート空調装置です。風量制御機構は第1ダンパと第1フラップを組み、送風機の出力に応じて第1吐出口と第2吐出口の風量比を自動調整します。第3吐出口から背部へ風を届けることも可能です。アクチュエータ式弁を減らし、部品点数と重量を抑制します。冷房初期の風向制御にも対応します。従来技術より低コスト化と軽量化を両立します。

本発明は、座席内に送風機と複数の通風路を配置し、風量制御機構を介して各吐出口の風量を受動的に制御する点に特徴がある。具体的には、送風機は吸気ダクトを介して通風空間Kへ空気を供給し、通風空間Kから第1通風路・第2通風路へ分岐させ、それぞれ第1吐出口・第2吐出口を介して空気を吐出する。風量制御機構には、第1ダンパ(流路の開閉を制御する部材)とその作用を受ける第1フラップがあり、送風機の出力に応じて第1フラップが回動し、第1吐出口と第2吐出口の風量比を動的に変更する。これにより、局所的な頭部・首・肩への風を強めつつ、背部には第3吐出口を用いてより広い領域へ風を拡散することが可能となる。アクチュエータを用いた開閉弁を省くことで部品点数と重量を削減でき、製造コストの低減につながる。熱交換器を組み合わせると送風側と排気側の温度制御が可能で、冬季の暖房・夏季の冷房の両方に対応できる。風量比の時間推移を制御することで、冷房初期は頭部への風を抑え、安定期には広範囲へ風を拡散させる等、車室の温冷感を高精度に演出できる。分岐空間Kに面する第1通風路の長さを第2通風路より短く設定することで、第1吐出口の風速を高め、逆に第2吐出口は拡散域を大きく取る設計となっている。車室の温度センサ/乗員温度推定と連携させれば、車内風の快適性を高度に制御できる。なお、従来の弁駆動系を排除することで、コストと重量の低減とともに信頼性の向上が期待できる。

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