技術の概要
筐体内部に板状のヒートシンクと、取り外し可能な冷却フィンを組み合わせた冷却構成です。遠心ファンが風をフィン間へ導き、ブラケットが排気ダクトとして機能します。部材を分離して製造・選択できる点と、風路の最適化により放熱性能と信頼性を高めます。
ユースケース
- 自動車用電子機器の熱管理の向上
- SoCの発熱に対する放熱効率の最適化
- 冷却フィンとヒートシンクの分離による部品共用
- 風路設計による冷却風の高効率導入とノイズ低減
- 部品間の一体化を避けた製造性と保守性の向上
本技術は、筐体内部に板状のヒートシンクを設置し、SoCの発熱を効果的に放熱する車載装置の冷却構成です。ヒートシンクの上面には、取り外し可能な冷却フィンを別体として取り付け、フィンはアルミ押出し等で製造します。ヒートシンクと冷却フィンの間にはGAPフィラー(熱伝導性を持つ樹脂材料)を充填し、熱を効率よく伝えます。遠心ファンが風をフィンの間に送るだけでなく、ブラケットが排気ダクトとして機能し、風を軸流ファンへ誘導します。部材は共用・分離運用が可能で、複数の車載機器でヒートシンクを流用できます。
本発明の車載装置は、筐体内部に板状のヒートシンク15を配置し、SoC13の上面に接触して発熱を放熱します。ヒートシンク上方には、取り外し可能な冷却フィン30を設け、フィンはX軸方向に等間隔で立設します。ヒートシンクと冷却フィンの間には、Gapフィラー60aおよび60bを充填して熱伝導を確保します。フィン30はネジ留め部の突出部16a–16cおよび突当部17a–17cによって固定され、これらの部位間に微小隙間を形成してGAPフィラーを均一充填します。壁部18により風路をコントロールし、冷却風はフィン間を通過した後、ブラケット40の排気ダクト機構を経て軸流ファン50へ誘導されます。風路設計上、遠心ファン20の送風口2.5とフィン3.1間の距離dはブレード径Dの半分以上を確保し、導風ダクトの漏れを抑制します。GA Pフィラー(樹脂部材)60a/60bは熱伝導性を高め、SoC13とヒートシンク間、及びヒートシンクと冷却フィン間の熱抵抗を低減します。筐体上部には排水溝80、凹部81等を配置し、水滴の接続部露出を防ぎます。回路基板間の接続では、腕部71a/71bで板間距離の変動を抑え、基板間コネクタ73a/73bの摩耗や微摺動を低減します。これらにより、放熱性能・信頼性・保守性が総合的に向上します。
