車載用カメラの低コスト筐体と固定構造

技術の概要

車載用カメラはレンズユニット・回路基板・撮像素子を筐体内に収容する。光漏れ対策と部品共通化を図るリング部材の二層構造と、キャップ部材の共通化設計により、製造コストと設計変更の手間を低減する。筐体サイズの変化にも柔軟に対応できる点が特徴である。

ユースケース

  • 前方・後方・サイドの車載カメラとして使用し、周囲の状況を高解像度で撮像する。
  • 自動運転支援システムの撮像系設計で部品共通化を図り、量産コストを低減する。
  • 回路基板の変更があっても筐体大径部のサイズ変更を最小化し、レンズユニットを変更せず適合させる用途。
  • レーザ溶着と光透過性/吸収性樹脂によるハレーション抑制を実現し、画質安定性を向上させる用途。
  • 多様な製品ラインアップの設計変更を容易化し、開発期間と部品点数を削減する用途。

本技術は、車載用カメラの筐体を低コストで実現する点に着目します。リング部材は二層構造で、第1層は光透過性樹脂、第2層は回路基板側に配置して光の透過を抑えつつ内部を固定します。第1層はレンズユニットの周囲をレーザ溶着で固着し、第2層は筐体内面に突起を設けて安定固定します。フランジ部と第2層内面の係合により、回路基板の変更による筐体の大径部のサイズ変化にも対応可能です。キャップ部材は第3筒状部を有し、リング部材と爪で係合して共通部品化を進められます。光の漏れを抑制し、ハレーションを低減できる点が特徴です。製品間差は第2層の厚さや凸部位置の調整で対応します。注意点として、適切な公差管理とレーザ溶着条件の最適化が必要です。

技術の要点は、レンズユニットを筐体端部で支持するリング部材を二層構造とし、回路基板の変更に対して筐体の大径筒部のサイズ変更を最小化する点にある。第1層は透明樹脂で厚さを確保し、第2層は回路基板側に配置される厚さを薄くして内部の隙間を減らす。第2層には第1〜第3の凸部を設け、筐体の大径筒部内面に対して複数点で接触させることで、レンズフランジ部の位置決めと固定を同時に行う。フランジ部には第1フランジ面と第2フランジ面があり、凹部と収容部を組み合わせて、各種回路基板の寸法変化に追従する。レーザ溶着は、リング部材の第5面とフランジ部の第1フランジ面を接触させて順次固着する二段工程で行い、第2層の凸部は筐体の内面の第1内面、第2内面に対して位置決めを担う。キャップ部材は第3筒状部と連続しており、第1〜第4突出部と第1〜第4爪部を有する。リング部材の第1係合部、第2係合部、第3係合部は、第2矩形の各角部に対応し、キャップ端部との係合を確実にする。第2起立突条、第3起立突条、第4起立突条は、光軸方向に中心へ傾斜させ、溶着時のレーザ照射を阻害しないように設計されている。これにより、キャップ部材を共通化しつつ、撮像素子の変更に伴う第1筒状部の突出量の差異にも対応できる。使用時の留意点は、レーザ溶着条件、部品の公差、及び第2層の凹部容量の適正化である。

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