車載用カメラのレーザ溶着による筐体結合技術

技術の概要

車載用カメラのレンズユニットと筐体をレーザ溶着で一体化する技術です。長波長のレーザを用いることで、撮像素子への影響を抑えつつ溶着を円滑に行います。第1樹脂と第2樹脂の組み合わせにより製造性と信頼性を両立します。

ユースケース

  • 使途1: 車載用カメラの筐体とレンズユニットの高強度結合と部品点数削減
  • 使途2: レーザ溶着による製造工程の簡素化と生産性向上
  • 使途3: 撮像素子への可視光影響の抑制とノイズ低減
  • 使途4: 第1樹脂/第2樹脂の波長選択設計による熱・光の制御
  • 使途5: 回路基板・コネクタ・遮蔽・放熱機構を含む総合的な車載カメラの信頼性向上

本技術は、車載用カメラのレンズユニットと筐体をレーザ溶着で一体化する技術です。第1樹脂は短波長帯の透過を抑え、長波長帯の透過を高める設計で、撮像素子は主に短波長域に高感度を示すため、可視光の侵入を抑制します。第2樹脂は長波長帯のレーザを吸収して溶着を促進します。レーザ光は約1100nm程度を用い、第1樹脂を透過させて第2樹脂で局所加熱を生じさせ、部品点数の削減と信頼性向上を図ります。筐体内部には回路基板・コネクタ・撮像素子を収容します。

本発明は、車載用カメラのレンズユニット(第1筒状部とフランジ部)と筐体(第2筒状部)を樹脂の溶着で一体化する構成を詳述する。撮像素子は短波長帯で高感度を有し、長波長帯には低感度または感度低下の性質を持つ。第1樹脂は第1波長帯域の透過率を有する一方、第2波長帯域では第1透過率より高い透過特性を持つ。これにより、長波長のレーザ光を透過させつつ、可視光の侵入を抑制し、撮像素子への影響を低減する。第2樹脂は第2波長帯域以降の透過を低く設定してレーザ光を吸収し、溶着を局所的に進行させる。レーザ光は約1100nm程度の長波長を選択し、第1樹脂を透過させて第2樹脂で熱を発生させ、境界面を溶融して結合を形成する。第1樹脂と第2樹脂の組み合わせは、部品点数の削減(第1樹脂の一体成形)、製造工程の簡素化、そして撮像素子への光害の抑制を同時に実現する。さらに、筐体内部の電気コネクタ配置、回路基板と撮像素子の収容、熱伝導部材による放熱、シールド部材による遮蔽といった機構を組み合わせ、熱・光・電磁ノイズの管理を総合的に実現する。設計上は、波長特性を示す透過グラフや、突起部・接着剤での多点固定、斜視図に基づく形状制御を活用し、実装性と信頼性を両立させている。採用例として、レンズユニットの第1筒状部およびフランジ部を第1樹脂で一体成形、筐体を第2樹脂で成形、レーザ溶着は筐体の第1端部とフランジ部の接合部へ照射する点が挙げられる。これにより、車載環境での衝撃・振動耐性と長期信頼性の向上が期待される。

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