技術の概要
本技術は、ワイヤレス充電の載置面で導電性異物を事前検知するしくみを提供します。端末を載置する前に異物を感知でき、安全性を高めます。検出は位置検出コイルと異物検出コイルを組み合わせ、制御部が閾値で判定します。
ユースケース
- 車載向けワイヤレス充電の安全性確保
- 机上・据置型Qi準拠充電器の異物検知機能
- 載置前検知による充電開始制御と安全性向上
- 異物検知時の警報表示・通知機能
- 検出コイルのマトリクス配置による高感度検知と信頼性向上
この充電装置は、送電コイル・受電コイル・位置検出コイル・異物検出コイルと制御部で構成されます。端末を載置する前に磁界の応答をパルスで検知して、導電性異物の有無を判定します。判定は、設置面の複数コイル群から得られる信号を、制御部があらかじめ用意した閾値と比べて行います。異物が検出されると充電を抑制したり警報を出します。検知後には、近傍のコイルの情報を組み合わせて異物の位置も検出可能です。搭載形態は車載と机上のどちらにも対応します。これにより発熱リスクを低減し、安全性と信頼性を高めます。
本実施形態は、送電コイルと受電コイルの磁界結合を利用し、載置前に載置面の導電性異物を検知する充電装置である。載置面には検出コイル群が格子状に配置され、検出用の誘導電圧発生コイルが近傍に磁界を発生させ、検出コイル群が発生させる誘導電流・誘導電圧をADCでデジタル化して測定する。制御部は、予めメモリに格納した基準値と現在の測定値との差分から、異物の有無と位置を判定する。閾値は温度補正を含む複数レベルを設け、初期状態では過度な感度を抑制する。異物検知は、検出コイルの組合せと印加パルスの順序を工夫して迅速かつ安定に行い、結果に応じて警報表示や充電出力抑制を行う。第1実施形態は可動送電コイルで全域をスキャンして端末の受電コイル位置を特定し、充電開始位置へ誘導する。第2実施形態は誘導電圧発生コイルを省略して検出系のみで短時間検知を追求する。第3実施形態は検出系と誘導系を拡張して検知領域を広げ、複数コイルの組合せで高信頼性を確保する。これらはQi規格準拠の充電にも適用可能で、異物検知と安全性を両立する設計である。
