静止物モデルと点群マッチで自己位置推定

技術の概要

周囲の静止物を3次元モデルとして識別し、Flash-LiDARが取得する点群と照合して車両の位置を時刻ごとに推定する技術です。SLAMの誤差蓄積やループ閉じ込みを緩和することを目指します。画像と点群の組み合わせにより堅牢性を高めます。

ユースケース

  • 自己位置推定の高精度化
  • SLAM誤差の累積抑制とループ閉じこみの回避
  • 周囲地図生成の信頼性向上
  • 夜間/悪天候時の物体検出信頼性の向上
  • 車載/クラウド間のデータ連携を活用したセンサ統合プラットフォームの強化

本技術は、車両の周囲に存在する静止物を複数の3次元モデルの中から特定する特定回路と、静止物モデルと点群検出装置で各時刻に検出された点群とに基づく位置推定回路で構成される。静止物に対する車両の相対位置を時刻ごとに算出し、それらの相対位置から各時刻の絶対位置を推定する。SLAMが用いられる場合に起きやすい自己位置の誤差の累積を抑え、ループの閉じこみ問題を緩和する効果がある。発明の実施形態では、画像から車種を推定する3次元モデル抽出部と、点群検出装置からのデータと3次元モデルの適合を評価する点群マッチング部を有する。難条件では点群を加工して再マッチングを行い、測距誤差の影響を低減する。なお、カメラとセンサの組み合わせは実装形態に応じて車載またはクラウドで実現可能である。

本システムは、画像撮影装置、3次元モデルデータベース、点群検出装置、モデル特定部、位置推定部から構成され、各部が連携して自己位置推定を実現する。モデル特定部は、画像から車種を推定し対応する3Dモデルをデータベースから抽出する3次元モデル抽出部と、抽出モデルと点群検出結果をマッチングする点群マッチング部を有する。点群マッチング部は、マッチングの度合いだけでなく、各点群からモデル表面までの距離分布を統計的に評価し、μ±3σを超えるデータが多い場合は別モデルを再選択して再マッチングを行う。こうして車種の検出条件が難条件であっても正確性を維持する。位置推定部は、アンカー車の3Dモデル位置と、時刻ごとの検出点群との相対関係を用いて、自車の各時刻の位置を算出する。静止物の形状情報を点群ノイズに左右されずに利用するため、3次元モデルの表面情報を用いて点群を対応づける。さらに、Flash-LiDARのノイズ特性を考慮し、測距誤差の影響を抑制するアルゴリズムを搭載する。実装形態としては、車載機とクラウドの組み合わせが挙げられ、地図データベースの更新や自己位置推定結果の配信を柔軟に設計できる。全体として、SLAMに代わる自己位置推定手法として、周囲の静止物を基準に安定した車両位置を提供することを目的とする。

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