コネクション型中継の処理負荷軽減技術

技術の概要

第1通信装置と1つ以上の第2通信装置の間で送受信されるコネクション型フレームを中継する技術を紹介します。ヘッダには宛先アドレスと上層アドレスが含まれ、存在すれば即座に転送します。存在しない場合はペイロードを解析して第2アドレスを特定し、テーブルを更新します。再送時には解析を省略して処理負荷を軽減します。

ユースケース

  • 車載ネットワークのコネクション型フレーム中継における処理負荷軽減
  • DoIP/Ethernet等の上位層プロトコルを用いる通信の最適化
  • 新規ECU追加時のアドレス自動登録とテーブル更新
  • 診断ツールとECU間通信の信頼性・拡張性向上
  • セキュリティ検証を組み込んだ中継機能の運用支援

本技術は、コネクション型通信で中継するフレームを効率的に扱い、処理負荷を軽減する中継装置と中継方法を説明します。第1通信装置と1以上の第2通信装置の間で送受信されるフレームのヘッダには、中継装置を宛先とする宛先アドレスと、上層プロトコルで送信先となる上層アドレスが含まれます。中継装置は、この第1アドレスがテーブルTにあるかを判定します。ある場合はテーブルの対応を元に転送します。ない場合はフレームのペイロードを解析して第2アドレスを特定し、第1アドレスと第2アドレスをテーブルに追加します。追加には仮登録と本登録の段階があり、コネクションが確立すると本登録されます。以降はペイロード解析を省略でき、処理負荷が低減します。

本解説では、中継装置がテーブルTを用いてアドレス解決を行う仕組みを詳述します。フレームのヘッダには、接続プロトコル宛先アドレス(中継装置宛)と、上層プロトコル宛の論理アドレスが含まれます。制御部は受信フレームの上位アドレスを抽出し、Tにその組が含まれているかを判定します。含まれていればコネクションを開始し、更新部が仮登録情報を本登録へ移行します。含まれていない場合、解析部はペイロードを解析して第2アドレスを特定し、第1アドレスと第2アドレスを追加情報としてTに仮登録します。所定条件を満たすと仮登録が本登録され、以後はペイロード解析を省略して転送します。セキュリティチェック部はツールやTLS識別子で検証を行い、エラー時には仮登録を廃棄しセキュリティセンタへ通知します。更新部はテーブルの容量管理として、仮登録を所定条件で本登録するか、条件を満たさない場合には仮登録を廃棄します。これにより、新規ECU追加時の適応性と全体の処理負荷低減を両立します。テーブルTは、論理アドレス、ECUアドレス、仮登録状態、登録日時などを持ち、更新は段階的です。中継装置は車載環境などリソース制約のある場面で有効で、DoIP等のコネクション型通信の最適化、診断ツールとの連携、セキュリティ連携といった点で実用性が高いです。

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