技術の概要
本装置は複数のパワー半導体と相切替回路を組み合わせ、単相・三相の両方に対応します。相切替時の突入電流を抑制するため、ゼロクロス点とゼロ期間を活用して接続先を安全に切り替えます。車載充電器などの電源部での信頼性向上とコスト削減を目指します。
ユースケース
- 車載充電器・EV充電システムの電源部
- 単相/三相双方に対応する電力変換装置の設計・評価
- 急速充電設備の突入電流抑制技術の実装
- 産業用電源の安全性向上とノイズ対策
- 車載・産業用途のコスト効率と省スペース化
本装置は電力変換回路、相切替回路、制御回路を組み合わせ、複数のパワー半導体とリレー回路を用いて交流電源の相切替を行う。外部電源が単相の場合、制御回路は所定のパワー半導体をオンし、電源電圧のゼロクロス点をリレー接点間電圧に基づいて検出する。ゼロクロス点の後のゼロ期間内にリレー回路を作動させ、特定の相へ接続先を切り替える。このとき突入電流を抑制するため、ゼロ期間中の短絡/開放切替を行い、突入電流を低減する。従来の課題として、ゼロクロス点のずれによる突入電流の発生があったが、本手法ではMOSFETの組み合わせで抑制を図り、部品追加を最小化してコストと省スペース性を確保する。
この技術は、外部電源が単相・三相のどちらにも対応する電力変換装置を前提に、相切替回路と電力変換回路の協調制御により突入電流を抑制する点が特徴です。相切替回路は、二つのリレー回路を用い、入力端子に接続された電源ラインをMOSFET群を介して出力へ導きます。制御回路は、入力電源を検出し、単相時には所定のMOSFETをオン、ゼロクロス検出後のゼロ期間にリレーを動作させて接続先を切替え、電力変換回路のMOSFETを適時オン/オフします。ゼロクロス点は接点間電圧がゼロまたは閾値内になる瞬間で、ここを起点にリレーを切替えることで突入電流を抑制します。リレー接点間電圧はL1-L2、L1-L3間の電位差として検出され、ゼロ期間は周波数の1/4周期程度を想定します。ノイズ対策としてXコンデンサ・コイル・突防抵抗を組み込み、過渡特性とノイズ耐性を向上させます。単相入力時でも定格容量を拡張可能で、車載充電器や産業用電源部の設計にも適用できます。制御回路はROM/RAMを用いたプログラム構成で、ソフトウェア更新にも対応します。
